『IN THE NAME OF HIPHOP II』に日本中から駆けつけた才能溢れるトラックメイカーたち!
THA BLUE HERBのILL-BOSTINOがtha BOSSを名乗って2015年に届けた初のソロ・アルバム『IN THE NAME OF HIPHOP』(THA BLUE HERB RECORDINGS)。同名義での楽曲としては前年に般若とのシングル“NEW YEAR'S DAY”があったとはいえ、Olive OilやPUNPEE、DJ YASらO.N.O以外の多彩なビートメイカーを迎え、B.I.G. JOEや田我流ら客演陣を招いたアルバムの作りそのものがTBH作品にはなかったもので当時は衝撃的だった。それから数年を経て届いたのが『IN THE NAME OF HIPHOP II』である。
CARREC
金沢を拠点に活動するDJ/ビートメイカーで、金沢21世紀美術館でパフォーマンスを披露したこともある〈和の鉄人〉。LIBROらを迎えた自身の楽曲集『HISTORY IN COM 1』(HISTORY IN COM)やZoomgalsとの仕事でも知られる手腕とセンスによって、今回オープニングの“HOLD ON”にダイナミックなビートを提供している。
BACHLOGIC
“THAT’S WHEN”と“LETTER 4 BETTER”を手掛けたのはポップ方面も跨いで活躍する鬼才。近年はZORNとガッチリ組み、2020年の『新小岩』(All My Homies)から『925』『RAP』と3年連続で彼の作品を全曲プロデュースしている。ILL-BOSSTINOとは『新小岩』収録の“Life Story”で手合わせしていた。
INGENIOUS DJ MAKINO
tha BOSSの前作でも“REMEMBER IN LAST DECEMBER”など2曲を手掛け、今回もジャジーな“サウイフモノニワタシハナリタイ”など2曲に貢献した彼は北九州の小倉で活動するDJ/プロデューサー。舐達麻も手掛ける手腕の程は泰尊の『上荒磯泰祐/TAISUKE KAMIARAISO』(LIFENESS)でも確認できる。
LIBRO
JEVAの語りも快い“STARS”をメロウかつノスタルジックな感触で包み込んだのは、BOSSと同時期に音源デビューして長くストイックなキャリアを歩んできたラッパー/プロデューサーのLIBRO。独自の美しさと詩情に溢れた心地良い作風は本人名義の最新作となる2021年の『なおらい』(AMPED MUSIC)でも堪能できる。
MANTIS
SHINGO★西成との“SOMEDAY”にソウルフルかつドラマティックなトラックを提供したのは、福岡は天神親不孝通りで活動する敏腕ビートメイカー。ちなみにELIAS×MANTISの2020年作『COLD WORLD』(3rd STONE)で組んだ北海道出身のELIASはBOSSの前作で“S.A.P.P.O.R.A.W.”に客演していた。
NAGMATIC
その“S.A.P.P.O.R.A.W.”を手掛けていたビートメイカーのNAGMATICは、今回の新作でも“S.A.P.P.O.R.A.W. Pt.2”を制作。SHEEF THE 3RDとの2022年作『ONE MORE DANCE』(DLIP)をはじめとしたDLIPの諸作で見せる手捌きはオーセンティックにして超ディープな独自の音世界を作り出している。
grooveman Spot
前作収録の“...RELEASED ALL”に続いて参加した彼は、90年代からクラブDJとして活動し、2021年の配信作『LUV 4 ME』(grooveman Spot)に至るまで精力的に活動するプロデューサー。クロスオーヴァーな感覚で多彩な音を繰り出すそのソウルフルなセンスはミュージック・ラヴァー讃歌の“MUSIC IS THE ANSWER”のテーマにも相応しい。
TOSHIKI HAYASHI(%C)
YOU THE ROCK★と穏やかに絡む“DEAR SPROUT”の陽だまりボッサなビートは、初顔合わせとなるTOSHIKI HAYASHI(%C)によるもの。2020年作『FIND YA SELF』(Pistachio Studio)に至るまでの自作やポップ寄りの仕事でも名高い人気者らしく、メロディアスな作風を温かく聴かせている。
SHIBUIBEATS
ストイックな“THE WORLD IS YOURS”を手掛けたのは北海道生まれのトラックメイカー。般若にフックアップされたことをきっかけに知られるようになった彼は地元でOKHOTSKNEWERAを率い、2019年には自身も在籍するSOUTH HILL PRODUCTIONで配信シングル“紋別LOVER”(OKHOTSKNEWERA)を発表した。
DJ WATARAI
日本のヒップホップを代表するDJ/プロデューサーとして活躍してきた彼の参加は意外にも思えるが、BOSSとの手合わせはSEEDAの2007年作『街風』(EXIT TUNES)収録の“MIC STORY”で組んで以来だそう! ストリングスも印象的な“POETIC JUSTICE”の重厚な展開で流石の手腕を見せつける。
Michita
自然の風景や季節の流れを大らかに感じさせる“AROUND TOMORROW”を手掛けたのは、80年代後半よりDJ活動を始め、00年代からビートメイクや楽曲制作を本格化してきた北海道出身/在住のヴェテラン。2020年のインスト集『Kizuki』(OZORA MUSIC.)まで本人名義の作品も多く、2014年の“Shiretoko Spring High”にはBOSSをフィーチャーしていた。
Jazadocument
もともと北海道のREFUGEE CAMPからBCDMGの一員として名を知らしめたJazadocumentはリリカルな“SAY GOODBYE HEARTACHE”を制作。近年もPeavisやCASPER、TOCCHIら多様な面々の楽曲を手掛け、Furui Rihoとのコラボや、2022年の自身名義作『Late Night Pharmacy』(THE BANK NOTE)まで引き出しは多彩だ。
Mr.BEATS a.k.a. DJ CELORY
本編ラストの“YEARNING”を手掛けるのは、BOSSとは前作の初回特典音源だった“AND AGAIN”で組んで以来のMr.BEATS a.k.a. DJ CELORY。クラブからミックスCD発表、お茶の間でもお馴染みのDJとなった彼だが、先日の“Boomerang”(SOUL SCREAM)までコンスタントに配信リリースを続けるSOUL SCREAMの今後の動きにも注目したい。

Yotaro
そして今回の新作の初回出荷分特典CDに収録された“YEARNING Pt.2”は、Bandcamp経由で海外からの評価が高い奈良のビートメイカーが制作。、ISSUGIへのビート提供やBudamunkとの共作、最新作『Twilight Time vol.2』(Honey Records)に至るまでどれも必聴だ。
