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以上5枚が、メタルで気に入って聴いたベスト5です。

私のベスト5がこんなラインナップになるなんて数年前には考えられなかったのですが、昨年の年末記事に書いたように、ジョニー・グリーンウッドの劇伴を入り口に、90年代に嫌いだったグランジ、オルタナティブロックに向き合い、現代のメタルコアバンドがその時期のロックなしには存在しないと再認識してから、メタルをより幅広く楽しめるようになりました。

また、昨年発売の「現代メタルガイドブック」には執筆者として参加したのですが、それを手引書としてあまり聴いていないサブジャンルやポップスも聴いたりして、メタルの可能性、他ジャンルへの広がり、伏流水としてのメタルというものを意識するようになり、自分の今年のアルバム『Dot』に繋がった部分もあります。

和田信一郎 『現代メタルガイドブック』 ele-king books(2022)

「現代メタルガイドブック」監修のs.h.i.さんにメタル観点からインタビューして頂いた記事も、ぜひご覧ください。

アルバム以外で、参加したライブで良かったと真っ先に思い出すのは、ブラッディウッドのSpotify O-EAST公演。こちらも連載で書きましたが、謎の多幸感がすさまじかった。正直、演奏の内容は全然覚えていない! けれど、他に行ったどのライブより〈幸せな空間だったなあ〉という印象ばかりが残っています。何か幸せパウダーが出ていたと思う。

メガデスの武道館公演も、90年代メタラーの私にはご褒美みたいなコンサートで、こちらはマーティ・フリードマンがゲストで入ったサプライズもありましたが、寒気がするほどのバンドの演奏のキレが、体に残っていますね。

武道館から帰ってすぐ書いた記事は、今読むと、わりとひどい躁状態です(笑)。

今年はKNOTFEST JAPAN 2023、LOUD PARK 2023、NEX FESTなどのメタル系フェスや、様々な来日公演も多くありました。海外からの来日公演が復活したのは、とても嬉しいことです! 私自身も比較的沢山ライブには参加しましたが、インフルエンザも流行っている状況で、自分のライブに穴を開けれないので、泣く泣く参加を見送ったことも多くありました。

来年で気になっていることは、セパルトゥラのフェアウェルツアーが日本に来てくれるかどうかと、なんと言ってもアイアン・メイデンの来日公演です! これに向けて頑張れる!

ということで、今年も一年、沢山の方にこの連載をご覧頂き、ありがとうございました。来年も、楽しいメタルライフを送りましょう!

 


INFORMATION
2023年12月28日(木)東京・小岩 COCHI
開演:20:00 ※2セット
出演:西山瞳(ピアノ)/橋爪亮督(テナーサックス)
チャージ:2,800円

2024年1月6日(土)神奈川・横浜 上町63
​開場・開演:15:00(1st)/16:30(2nd) ※2セット
出演:西山瞳(ピアノ)/小牧良平(ベース)/池長一美(ドラムス)
チャージ:3,300円(要1 Drink Order)
学生:2,750円(1 Drink付き/要学生証提示)

2024年1月12日(金)埼玉・蕨 Our Delight
出演:西山瞳(ピアノ)/坂上領(フルート)
チャージ:3,600円(別途1,000円分のドリンク券)
29歳以下の本業学生:1,100円(別途1,000円分のドリンク券)
29歳以下の社会人:2,600円(別途1,000円分のドリンク券)

2024年1月13日(土)東京・用賀 工房花屋
開演:14:00 ※2ステージ
出演:The Tree Of Life 安ヵ川大樹(ベース)/西山瞳(ピアノ)/maiko(バイオリン)
チャージ:4,000円(別途オーダー)

ROPPONGI Satin Doll 50周年 ジャズピアノソロ 無料公演 西山瞳
2024年1月17日(水)東京・六本木 Satin Doll
開場/開演:18:00/19:15(1st)/20:30(2nd)
出演:西山瞳(ピアノ)
チャージ:無料(別途要1フード2ドリンクのご注文)

★詳細やその他のライブについては西山瞳のオフィシャルサイトへ

 

西山瞳 『Dot』 MEANTONE(2023)

リリース日:2023年11月22日(水)
品番:MT-12
価格:3,190円(税込)

TRACKLIST
1. Turtledove タートルダブ
2. Dot ドット
3. The Rider ザ・ライダー
4. To Return トゥ・リターン
5. Tidal タイダル
6. Red and Yellow レッド・アンド・イエロー
7. Pigeons ピジョンズ
8. Baroness バロネス
9. Lighthouse ライトハウス
(全曲 西山瞳作曲)

■メンバー
西山瞳 ピアノ、作曲 Hitomi Nishiyama piano,compose
西嶋徹 ベース Toru Nishijima bass
則武諒 ドラムス Ryo Noritake drums
鈴木孝紀 クラリネット Takanori Suzuki clarinet (on 2, 3, 5, 6, 9)
橋爪亮督 テナーサックス、フルート Ryosuke Hashizume tenor sax, flute (on 2, 3, 5, 6, 9)
maiko バイオリン maiko violin (on 2, 3, 5, 6, 9)

2023年7月12-14日 群馬県高崎市 TAGO STUDIO TAKASAKIにて録音
録音、ミックス、マスタリング:松下真也(Piccolo Audio Works)
FAZIOLI F278使用
ピアノ技術:越智晃(Fazioli Japan Co., Ltd.)
アートディレクション:平岡直樹(yuu)

 


PROFILE: 西山瞳
79年11月17日生まれ。6歳よりクラシックピアノを学び、18歳でジャズに転向。大阪音楽大学短期大学部音楽科音楽専攻ピアノコース・ジャズクラス在学中より、演奏活動を開始する。卒業後、エンリコ・ピエラヌンツィに傾倒。2004年、自主制作アルバム『I’m Missing You』を発表。ヨーロッパジャズファンを中心に話題を呼び、5か月後には全国発売となる。2005年、〈横濱JAZZ PROMENADE ジャズ・コンペティション〉において、自身のトリオでグランプリを受賞。2006年、スウェーデンにて現地ミュージシャンとのトリオでレコーディング、『Cubium』をSpice Of Life(アミューズ)よりリリースし、デビューする。2007年には、日本人リーダーとして初めて〈ストックホルム・ジャズ・フェスティバル〉に招聘され、そのパフォーマンスが翌日現地メディアに取り上げられるなど大好評を得る。以降2枚のスウェーデン録音作品をリリース。2008年に自己のバンドで録音したアルバム『Parallax』では、スイングジャーナル誌日本ジャズ賞にノミネートされる。2010年、〈インターナショナル・ソングライティング・コンペティション〉(アメリカ)で、全世界約15,000のエントリーのなかから自作曲“Unfolding Universe”がジャズ部門で3位を受賞。コンポーザーとして世界的な評価を得た。2011年発表『Music In You』では、タワーレコードのジャズ総合チャートで1位、HMVの総合2位にランクイン。CDジャーナル誌2011年のベストディスクに選出されるなど、芸術作品として重厚な力作であると高い評価を得る。2014年には自身のレギュラートリオ、西山瞳トリオ・パララックス名義での2作目『Shift』を発表。好評を受け、アナログでもリリースする。2015年には、ヘヴィメタルの名曲をカバーしたアルバム『New Heritage Of Real Heavy Metal』をリリース。マーティ・フリードマン(ギター)、キコ・ルーレイロ(ギター)、ヤング・ギター誌などから絶賛コメントを得て、発売前よりメタル・ジャズの両面から話題になり、すべての主要CDショップでランキング1位を獲得。ジャンルを超えたベストセラーとなっている。同作は『II』(2016年)、『III』(2019年)と3部作としてシリーズ化。2019年4月には『extra edition』(2019年)もリリース。自身のプロジェクトの他に、東かおる(ボーカル)とのボーカルプロジェクト、安ヵ川大樹(ベース)とのユニット、ビッグバンドへの作品提供など、幅広く活動。〈横濱JAZZ PROMENADE〉をはじめ、全国のジャズフェスティバルやイベント、ライブハウスなどで演奏。オリジナル曲は、高い作曲能力による緻密な構成とポップさが共存した、ジャンルを超えた独自の音楽を形成し、幅広い音楽ファンから支持されている。