ジャズピアニストであり、熱いメタラーでもある西山瞳さんによる連載〈西山瞳の鋼鉄のジャズ女〉。今回は、〈高槻ジャズストリート〉での演奏の思い出から、メタル曲のジャズアレンジや現場での演奏について綴ってくれました。 *Mikiki編集部
先月でこの連載も丸5年を終え、6年目に突入しました。毎回沢山の方に読んで頂き、感謝しております。ありがとうございます。
先日、大阪で開催された〈高槻ジャズストリート〉に参加してきました。
昨年もこのイベントについて少し書きましたが、毎年参加している大規模なジャズフェスティバルです。
今年は新設されたホールでソロピアノで演奏するステージがあったので、久しぶりにメタルの曲を演奏しました。
〈高槻ジャズストリート〉は、2016年から4年間連続して、ヘヴィメタル曲を演奏するプロジェクトNHORHMで参加していました。
普段、〈ジャズライブハウスは少しハードルが高い〉と感じておられるメタルファンには、入場無料・野外のフェスはとてもアクセスしやすく、沢山のメタラーが黒Tシャツで来て下さっていました。
馴染みのない方からは、少し難しいんじゃないか、ハードルが高いんじゃないかと思われがちなジャズ。こういう開かれた機会はとても大事だなと思い、NHORHMで参加することに意味と価値を感じていました。
何より、野外ステージで音量を気にせずパンテラの“Walk”やメタリカの“Enter Sandman”、AC/DCの“What Do You Do For Money Honey”を演奏するのはとても気持ちが良い!
メンバー2人も元バンド小僧。音量を気にしなくていい環境でのびのびと演奏できる機会は、とても楽しかったです。
ということで、〈高槻ジャズ〉といえばNHORHMという感じにもなっていたのですが、コロナ禍でイベントが2回中止になっていたことと、NHORHMも少しお休みしているので、しばらくご無沙汰。
今回はソロで演奏するステージを当てて頂いたので、オリジナル曲に加え、スコーピオンズの“The Sails Of Charon”、ジェフ・ベックの“Scatterbrain”、BABYMETALの“THE ONE”の3曲を演奏してきました。こういう場所でメタル曲を演奏するのは、本当に久々です。
“The Sails Of Charon”は、ウリ・ジョン・ロートのギターソロが格好良すぎるので、そのまま弾きたくてピアノソロにアレンジしたもので、アルバム『New Heritage Of Real Heavy Metal III』に収録しています。ジャズフェスでそんな細かいところが伝わったかわかりませんが、楽しく演奏してきました。
ジェフ・ベックの“Scatterbrain”は、先月の連載記事でインタビューした江藤良人さん(ドラムス)と演奏する機会があって、ソロで弾いても良いなと思って弾いてみました。
BABYMETALの“THE ONE”は、4月のぴあアリーナMM公演の興奮も残っており、何かベビメタ曲も演奏したくてチョイス。この曲は毎年NHORHMで〈高槻ジャズストリート〉で演奏していましたしね。