連載

【西山瞳の鋼鉄のジャズ女】第72回 アイアン・メイデン(Iron Maiden)の魅力はハートの熱さだ! 9月の来日を渇望!!

ジャズピアニストの西山瞳さんが愛するメタルについての連載〈西山瞳の鋼鉄のジャズ女〉。2024年もどうぞよろしくお願いいたします。今回は、今年9月の開催にもかかわらず昨年の情報解禁時から話題になっているアイアン・メイデンの来日公演について。西山さんのメイデン愛が炸裂し、〈アイアン・メイデンって?〉という方の入門にも〈来日が楽しみで仕方ない!〉というファンのライブの予習にも最適な記事になりました。 *Mikiki編集部

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2024年、明けて少し日が経ちましたが、今年もよろしくお願いいたします。

2018年に始めたこの連載ですが、おかげさまで沢山の方にご覧頂き、長く続けさせてもらっていて、感謝しております。今年も、時折気持ちが高まって変なテンションで書いたりすると思いますが、よろしくお願いいたします。

 

さて、今年の楽しみなことといえば、何はともあれ、9月のアイアン・メイデンの来日。

これがあるから、生きていける。

 

私のメタル原点は90年代、大阪(あともう一つ言えば、枚方市にあるTSUTAYA 1号店。これはいつかの機会に)。ということで、大阪城ホールで見たいので、大阪公演のチケットを取りました。関東は早々に売り切れていましたが、神奈川での追加公演も発表されたばかりです

これまで体験したベストライブを挙げるとしたら、

ノーマ・ウィンストン@ピットイン(ジャズシンガー)
アンドラーシュ・シフ@サントリーホール(クラシックピアニスト)
エンリコ・ピエラヌンツィ@横浜赤レンガ倉庫ホール(ジャズピアニスト)
アイアン・メイデン@両国国技館

以上は、必ず挙げています。

並びが滅茶苦茶ですが、とにかくアイアン・メイデンのライブの初参加は強烈な体験で、これは今後来日のたびに、万難を排して絶対ライブに行かないといけないやつ……!と、使命感のようなものすら芽生えました。

どんなジャンルでも、CDはパフォーマンスの最低ラインだと思っていますが、ライブに行ってこそ真価がわかるというのは、まさにアイアン・メイデンのためにあるような言葉。両国国技館で見たライブの感動が忘れられず、心に残る余韻は絶大なものでした。バンドと一緒に世界中をツアーするファンが多いのも納得です。

2020年にも来日予定で、そちらもチケットを確保して待っていたのですが、コロナ禍でキャンセル。でも、落ち着いたらいつか絶対来てくれると思っていました。

 

アイアン・メイデンは、いわずもがな、ヘヴィメタルというジャンルを作った開祖のバンドの一つです。

何が良いかって、ハートの熱さですよ。

楽器の技術や理論がどうとか、細かい御託や、わかった気になっている人間を、片っ端から全てぶっとばす気持ちの熱さ。これはこう演奏したい、こういう世界を作りたい、これを伝えたい、という意志のあまりの強靭さ。音楽の初期衝動としてとても大事な精神的なもの、ピュアなエネルギーに触れることができるのです。

なんだか言っていることが抽象的で精神論みたいですが、でも、全然別ジャンルの音楽をやっているプレイヤーの私でも、そう感じるんですもの。凄いんですよ、メイデンは!

 

最初のアルバム『Iron Maiden』(80年)は、〈ヘヴィメタルの歴史的に絶対聴いておかないといけない3枚〉という記事で触れましたが、ヘヴィメタルという音楽は、強固な美学、世界観がないといけない、己の信念を貫くものなのだと指し示した、最初の1枚だと思います。

IRON MAIDEN 『Iron Maiden』 EMI(1980)

正直なところ高校生だった90年代に聴いた時は、全然ピンときていなかったんですよ。今だから言えますが、舐め腐ってました!

当時、パンテラの『脳殺』(94年)やメタリカの『ブラック・アルバム』(91年)の音が自分の中で標準の音だったので、80年代の音はかなりチープに聞こえたところがあったんだと思います。だから、90年代の作品はめちゃめちゃ良いし大好きなのに、メタリカの『メタル・マスター』(86年)もこの『Iron Maiden』も、聴いても全然入ってこなかった。

大人になって聴いたら、耳の練度が上がったのか、時代的なものを補完して聴くのか、このアルバムの生命力と〈俺たちが時代を切り開いている!〉という自覚に満ちた演奏が、ビシビシ突き刺さってくるんですよね。当時、高校生の分際で、舐めてて本当にすみませんでした

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