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音源よりギアが上がった会心のライブ盤

――この日、それぞれが最も印象的な場面を挙げるとするなら?

TORU「やっぱりこの日を迎えて、無事に終えられたっていうのが、一大事だったような気がしますね。終わった後、1週間ぐらいぐったりしていて(笑)。どんだけ力が入っていたのか……というか、気合が入りすぎて、力んじゃってたんだと思うんですけどね」

HARUKA「私は本編最後の“クロノメトリー”のギターソロですね。初めてする演出……大道芸みたいなことをしたんですけど(笑)、そこに注目してもらいたいです。

あと、そこからのアンコール2曲ですね。“Prison Of Abyss”は、DOUGENさん(THOUSAND EYES)とNeneさんというゲストボーカルが2人入って、凄い見栄えになっていたと思うんです。次の“The Arclight Of The Sky”は……これは映像を見てもらわないとわからないですけど、いつもと違う恰好でライブをして。だから、見どころは最後の畳みかけです(笑)」

――ええ、確かに普段と違う恰好をしてましたね(笑)。

HARUKA「そうですね(笑)。遊びを効かせたというか。対バン形式のライブではできないようなことも入ってるのが、この日の良いところかなと思います」

――オープニングの“Nonsite”を歌っているときは、どんな気分だったんですか?

HARUKA「有観客のライブが久しぶりだったので、不安が大きかったんですけど、ステージに上がった瞬間、みんなの顔を見て、それが消えました。私以外のメンバーは板付きで、私はみんなが演奏を始めているところに後から登場したんですけど、袖で待っている状態で、〈あっ、今日は大丈夫だ!〉と思ったところはあります。ただここで歌えばいいんだなって」

――後に音源の編集をするときにも改めて聴いたと思いますが、普段の自分の歌との違いは感じませんでした?

HARUKA「正直、私、あんまり聴いていないんです(笑)。編集の作業にそこまで立ち会ってないのと……これはいつものことなんですけど、自分の作品を全く確認しないタイプなんです(笑)」

TORU「1曲目はどんな気持ちだったかなぁ。本当に始まっちゃうな、みたいな感じで、幕が上がるまで待っていたんですよね。それはいつも通りとはいえ、とにかく4年弱のブランクがある中でしたし、ようやく『TRINITY』の曲を人前で演奏できることの感慨深さがありました。

不安があったわけではないんですけど。ただ、映像を撮って作品にすることは確定していたので、たとえば、“Nonsite”はド頭が自分のメロディからなので、ここだけはミスるわけにはいかないと思って、正直、ちょっとだけ置きにいったかもしれないですね(笑)。でも、曲が進むにつれて、自然とそんなことは意識しなくなっていくんですよ」

――音だけを聴いていて、スタジオ音源とはまた異なる高揚感が出ている気がしたんですよ。

HAYATO「編集の段階で死ぬほど聴きましたけど、全員、ちょっとギアが音源より2段ぐらい上がっている感じはありますよね。だから、たとえば、1stアルバム(2011年作『ELUSIVE MOMENT』)はだいぶ古いですから、まだ聴いたことがないという人には、このライブ盤のほうを聴いてくれと言いたいぐらい、会心のライブ盤になっているんじゃないかなと思います」

 

曲はライブで成長していく

――TORUくんの話にもあったように、この日は『TRINITY』のレコ発ライブの意味合いもあったわけですが、過去のマテリアルと並ぶ中で、あのアルバムの個性もより際立って見えてきたのではないかと思うんです。

HAYATO「1stはとりあえず思うまま作ったんです。2nd(2013年作『Continuation Of The Dream』)は、その想いがさらに強まり、〈前作を超えてやるぞ!〉って想いで作って。3rd(2016年作『STATICE』)で少し気分が変わったんですかね。曲が全体的にふわっとしたんですよね。TEARSのマイルドな部分が、より強めに出ているというか、防御力で魅せたような感じ。なので過去作も良いんですけど、『TRINITY』はバランスがとれたアルバムだなという印象です」

HARUKA「作曲はTORUとHAYATOの2人がしているので、私はいつも来るもの拒まずというか、〈今回はこんな感じなんだなぁ〉って受け入れているほうなんですよね。確かに今聴いてみると、バランスが良いのかもしれないなって思います。2枚目は攻撃的な内容になってて、3枚目は全体的に少しマイルドになって、4枚目になってそれが良い感じに収まったような」

TORU「3rdが〈ふわっと〉ってHAYAちゃんが言う意味が俺にはよくわからないんですけど(笑)、当時は5人編成だったので、その影響があるんですよね。正直、僕は演奏力を気にして曲を書くんですよ。2ndのときはそんなに手加減していなかったんですけど、リリースしてツアーをやって、〈演奏技術的に強めの設定で曲を書くと、このメンバーでは難しいな〉と思ったので、3rdでは手加減した面は正直ありますね。

でも、4枚目は今の3人の体制になって……ドラムはYU-TO(THOUSAND EYES)にやってもらったんですけど、技術的な制限は考えないで作ることができたので、その差が3枚目と4枚目の違いかなと思います。その辺が『TRINITY』の攻撃性だの何だのという特徴に繋がるんだと思うんですが、バランスが良いという言葉が、確かに一番良い表現かもしれないですね」

――このライブを終えてみて感じ方が変わったり、再認識したりしたこともあります?

TORU「やるのは大変だなと思いましたね(笑)。自分の首を絞めたとは思わないですけどね、できる範囲内だけでやっていては成長しないと思うので。

曲というのは、ライブをやって成長していくものだと思うんですよ。『TRINITY』はその機会がずっとないままだったので、〈ようやくアルバムの曲たちがちゃんとした形になったな〉という感覚はありますね。回数はまだ多くはやれてないですけど」

――こういう並びの中で『TRINITY』の楽曲を聴くと、完成度がより高められた、確実なステップアップを見せつけたアルバムだったと実感します。最新作が最高傑作といった売り文句はよくありますが、まさにそう称するに相応しい作品でしたね。