Page 2 / 4 1ページ目から読む

リル・ヨッティ、タイラ、ブリーチャーズら必見の洋楽アクト

天野「ヘッドライナー以外で自分がぜひ観たい海外アーティストは、なんといってもリル・ヨッティですね! 米アトランタ出身のラッパーで、私は2016年の最初のミックステープの頃からファンです。2023年のアルバム『Let’s Start Here.』はサイケデリックロックに振り切れた異色作で、かなり話題になりました。今年4月のコーチェラでのライブも配信で観ましたが、ロックモードの演奏とトラップを中心にしたラップのパフォーマンスの両方を繰り広げていて圧巻。最近もバッチリ決まった客演仕事、ジェイムス・ブレイクとの共演作『Bad Cameo』が評判ですし、今年のサマソニで観ない手はないと思います。間違いなく必見です!」

小田「リル・ヨッティはマストで観たいアクトですよね。あと、近年のサマソニの傾向の一つとしてK-POPアーティストの存在も欠かせません。2019年のBLACKPINK、そして2023年は速レポも掲載したNewJeansなど、世界と共振するタイミングで注目のアクトが多数出演してきました。今年もATEEZ、IVE、NCT DREAM、RIIZE、ZEROBASEONE、BABYMONSTERといったグループ勢から、ラッパーのイ・ヨンジ、さらに“Love Lee”の世界的ヒットを経て登場する兄弟デュオのAKMUとバラエティ豊かなラインアップですよね。

IVEはサマソニ出演後に日本での2ndシングルのリリースと東京ドーム2DAYSが控えていて、メンバーのロンジュンが休養中のNCT DREAMは今春にワールドツアーの一環として日本でのドームツアーを成功させたばかり。RIIZE、ZEROBASEONE、BABYMONSTERも日本での土壌が強固なものになりつつあるなか、サマソニのように不特定多数のオーディエンスの目に触れる場でのパフォーマンスは、ワンマンライブ以上に特別なステージになるかもしれませんね」

※編集部注:イ・ヨンジの〈SUMMER SONIC 2024〉への出演は、台風7号の影響により予定されていた時間に到着することが困難となりキャンセルとなりました

天野「そこまで詳しくないけれどK-POPのライブを観てみたい、という方にとってサマソニはいい機会ですよね。あと、初来日のタイラも必見です。南アフリカのシンガーで、2023年7月にリリースした“Water”が世界的なロングヒット化し、一躍スターダムにのし上がりました。今年はグラミー賞も受賞し、いまや世界的人気アーティストですよね。

その魅力はといえば、南アフリカ発のダンスミュージックであるアマピアノをスムーズ化、ハイブリッド化したような音楽性と、そのビートの上を舞い踊るような美しいハイトーンボイスです。デビューアルバム『TYLA』をぜひ聴いていただきたいのですが、シャーデーやアリーヤと比較したくなるような歌にはR&Bファンもハマるはず。ナイジェリアのアフロビーツなど、アフリカのポップミュージックには以前から個人的に注目していましたが、タイラはまさに真打ち。新鮮さと心地よさを同時に味わってほしいです」

小田「ヘッドライナー以外のバンド勢もサマソニらしい顔ぶれじゃないですか? そのなかでもジャック・アントノフ率いるブリーチャーズは、今年3月にリリースした4thアルバム『Bleachers』の内容からしても、まさにいまキャリアハイを迎えていると思うんですよね。The 1975『Being Funny In A Foreign Language』、ラナ・デル・レイ『Did You Know That There’s A Tunnel Under Ocean Blvd』、テイラー・スウィフト『Midnights』など、ここでは書き切れない数のアーティストの名盤に参加しているジャックですが、どこか片手間感が拭えずにいたブリーチャーズでの活動について、最新作ではバンドの一員としてしっかり本腰を入れている。その影響と自信は最近のライブパフォーマンスにも表れていると思うんですよ。

すごくロックバンド然とした佇まいで、これまでもステージ上の姿がブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドに重ねられてきましたが、『Bleachers』の楽曲も加わったことでますますスプリングスティーン的な力強さをライブから感じます。どんな熱狂が日本で巻き起こるか、肉眼で確認したいですね」

天野「ワンリパブリック、ベル&セバスチャン、グレタ・ヴァン・フリート、AJR、我が青春のフーバスタンクと、〈海外のバンド〉と一口に言っても、ジャンルやファン層が異なるアクトが並んでいておもしろいですね。ロックを中心に、バンドの音楽を浴びたい方にとっては何を観るのか迷うってしまう贅沢な2日間です」

小田「バンドといえば、ナッシング・バット・シーヴスも今年のサマソニに来てくれるんですよね。注目のUK新人バンドの一組として2015年に出た1stアルバム『Nothing But Thieves』のCDを、それこそタワレコで買ったのをいまでもよく覚えています。

メンバーはイギリスのサウスエンド出身ですが、彼らの音楽性はフー・ファイターズやザ・キラーズのような、いわゆる〈UK受けのいいアメリカのスタジアムロック〉に通じるところがあって。2017年の2ndアルバム『Broken Machine』では、ダンスロックやポストロックなども飲み込む形でバンドの音楽性の拡張に成功しています。2023年の最新作『Dead Club City』では初のコンセプトアルバムという形式にトライしていて、しかも初の全英アルバムチャート1位を獲得するという、これ以上ない万全の状態の5人がサマソニでは観られるんじゃないでしょうか」

天野「バンドではないですが、私はレイヴェイを推したいです。中国系アイスランド人のシンガーソングライターで、古式ゆかしいジャズボーカルものっぽいポップソングを一貫して歌っている点が異色でおもしろい。元々はチェリストで、クラシックの教育をがっつり受けてきた、という点もユニークですね。2023年9月にリリースした2ndアルバム『Bewitched』で世界的にブレイクし、TikTokでも話題になった新進気鋭の才能で、〈1930~1950年代からタイムスリップしてきたの!?〉と驚くような彼女のノスタルジックな音楽がバズる、Z世代の支持を集めている、という2020年代的な状況を含めて楽しんでいます。

ともあれ、親密で抑制的な歌声やバックの演奏は間違いないと思うので、いまこそライブで観たいアーティストです。どんなスタイリングでステージに現れるのかも気になりますし。先日のハリウッド・ボウル公演のライブレポートもチェックしてください!

あとは、ローレン・スペンサー・スミスも気になってます。イギリス生まれ、カナダ育ちのシンガーソングライターで、弱冠20歳の才能です。オーディション番組『アメリカン・アイドル』に出場したことに始まり、2022年に自主リリースした“Fingers Crossed”がTikTokでバイラルヒット。ロードやオリヴィア・ロドリゴ、コナン・グレイなんかに続く才能と目されていますが、ディープでソウルフルなアルトボイスはちょっとアデルっぽいかも。今後さらにブレイクして、2018年のサマソニにおけるビリー・アイリッシュのようになる可能性も。要チェックです!」