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ホールジーの変幻自在なディスコグラフィーと共演歴

 本人名義曲でもヒットに恵まれてきたホールジーだが、その名を一気に世界的に広めたのがチェインスモーカーズの記録的アンセム“Closer”(2016年)への客演だったように、各方面に残したコラボの成果にも見逃せないケースは多い。ボニー&クライド的な歌世界が実際の恋愛に進展したG・イージーとのヒット“Him & I”(2017年)は特殊な例だとしても、2019年にはBTSの“Boy With Luv”やポスト・マローン“Die For Me”といった話題曲に登場。2020年には急逝したジュース・ワールドとの“Life’s A Mess”のほか、かつて恋仲だったMGKとのポップ・パンク“Forget Me Too”、ケルシー・バレリーニとのカントリー“The Other Girl”など相手の土俵に応じた振る舞いを見せていた。それら諸要素を自作に取り込んできた巧みさも偉大なインパーソネイターならでは? *出嶌孝次

ホールジーの参加作を一部紹介。
左から、チェインスモーカーズの2016年のEP『Collage』(Columbia)、G・イージーの2017年作『The Beautiful & Dammed』(BPG/RVG/RCA)、ジュース・ワールドの2020年作『Legends Never Die』(Grade A/Interscope)、マシン・ガン・ケリーの2020年作『Tickets To My Downfall』(Interscope)


 

HALSEY 『Badlands』 Astralwerks/ユニバーサル(2015)

前年のデビューEP『Room 93』に続き、ディストピア的な世界観を通じて内面を描いた初のアルバム。〈ビギーとニルヴァーナで育った〉世代感を歌い上げるアンセミックな“New Americana”、幻惑的なエレポップ“Colors”など、重々しい楽曲が退廃美を放つ。交際に発展するノルウェーのリドが総指揮を担い、全米2位を記録。

 

HALSEY 『Hopeless Fountain Kingdom』 Astralwerks(2017)

ベニー・ブランコやグレッグ・カースティンら大物制作陣を迎えてR&Bやトラップに接近し、全米1位に輝いた2作目。破局したリドとの関係にも着想を得て“Now Or Never”や“Bad At Love”などメインストリームで機能する佳曲を揃え、ソウルの大ネタを用いた“Alone”やピアノ・バラード“Sorry”など伝統的な作法でも持ち味を発揮した。

 

HALSEY 『Manic』 Capitol/ユニバーサル(2020)

失恋を背景に生まれた全米No.1ヒット“Without Me”を筆頭に、自己の心情が歌われた3作目。サウンド的にはコライト人員増によって全体の輪郭が洗練され、カントリーやK-Popを幅広く取り込んだ結果、却ってシンプルな歌モノとしての側面が際立っている。ドミニク・ファイク、アラニス・モリセット、BTSのSUGAといった助演も話題に。

 

HALSEY 『If I Can’t Have Love, I Want Power』 Capitol/ユニバーサル(2021)

アリーナ・ポップ路線の反動でトレント・レズナー&アッティカス・ロスにプロデュースを依頼した4作目は、聖母子像をモチーフにしたジャケ通りに自身の懐妊がテーマ。バグやピノ・パラディーノ、リンジー・バッキンガム、デイヴ・グロールらを交えた演劇的な音像によってパンキッシュな刺激も引き出されている。連続で全米2位を獲得。