2024年9月からサイモン・ラトルの後任としてロンドン響首席指揮者に就任することが発表されたパッパーノ、初のヴォーン・ウィリアムズ(RVW)。ローマ聖チェチーリアとのエルガーの第1番2012年ライヴも歌と熱量に溢れる秀演だったし、英国音楽への深い取組みに期待が高まる。シリアスな筆致で共通する第4番と第6番の組合せは類盤が少ないが(エルダー盤やかつてのノリントン盤くらい)、RVWの作品史を探訪するには時代背景と併せると意義ある聴体験だ。パッパーノはロンドン響だからこそ可能な、一面的に括られやすい両曲に息づく詳細なテクスチュアを明らかにしており、単盤として熟聴したい。