プリンス、ジェフ・トゥイーディーらと築いた豊かなソロキャリア
1980年代以降のメイヴィスはソロキャリアを発展させることにも多くの時間を割いた。 1987年、人気絶頂だったプリンスはメイヴィスを自らのレーベル、ペイズリー・パークに迎え入れる。彼が新曲を書き下ろしてプロデュースした2枚のアルバムは大きな成功こそ得られなかったが、メイヴィスがそれまでの遺産から想像される以上のことができる歌手だと証明し、ゴリラズ、ラン・ザ・ジュエルズ、アーケイド・ファイアとのコラボや、M.ウォード、ベン・ハーパーと組んだアルバムに続く先駆けとなった。
そうしたコラボの中で特に重要なのが、同じシカゴ出身のバンド、ウィルコのリーダーで優れたシンガーソングライターでもあるジェフ・トゥイーディーとの出会いだ。2人は意気投合し、メイヴィスはジェフの妻と息子たちを自分の娘や孫と呼ぶほど親しい関係となった。
両者にとって最初のコラボとなった2010年のアルバム『You Are Not Alone』は、グラミー賞の最優秀アメリカーナアルバムに輝く。2013年の『One True Vine』でもジェフとのコラボは続き、2016年の『Livin’ On A High Note』ではM.ウォードがプロデュースを担当し、ジャスティン・ヴァーノン(ボン・イヴェール)、ニック・ケイヴ、ニーコ・ケースらに楽しい曲を依頼した。
再びジェフと組んだ2017年の『If All I Was Was Black』は、メイヴィスが貢献し、目撃してきた1950年代以降の社会の進歩を後退させようとするトランプ政権への強い抗議の意思が込められたメッセージアルバムとなった。2人が共作したアルバム表題曲は、肌の色しか見ようとしない人々に対する明確な非難でもある。
彼女の特徴である豊かな唸り声は、歳を重ねるにつれ、よりハスキーになり、さらにブルージーさを増してきたが、その歌声は思いやりを求める嘆願であり、もっと頑張れという励ましでもあるのだ。
メイヴィスが仲間たちと歌う“The Weight”
ジェフは自伝でメイヴィスの音楽的挑戦をやめない意欲と、笠に着ることのない謙虚さに感銘を受け、こう書いている。「僕らみんながどのようにすべきか、これ以上のお手本を見つけられないと思う。(中略)彼女はスタジオに足を踏み入れたら、注文をどなって、全員にそのレコードがどういうふうに作られるべきかをこと細かに言う権利を持っている。でも、その代わりに、彼女は謙虚に取り組み、その部屋にいる才能ある人間は自分ひとりじゃないし、たぶん新しい何かを試みるのにまだ年を取りすぎていないと思っている」。
そして、「メイヴィスと一緒に働くことは僕を以前よりも冷笑的でなくしてくれた」と感謝するジェフは、こう願う。「メイヴィスのような人でいっぱいの世界に住みたい」。
その願いを多くの人たちが分かち合う。メイヴィスが複数の出演者がいるコンサートやフェスティバルに登場すると、彼女を慕うそうそうたる顔ぶれの後輩たちに取り囲まれる。そして、そういった舞台では必ずと言っていいほど、あの映画「ラスト・ワルツ」での共演以来(ステイプル・シンガーズに強い影響を受けた)ザ・バンドの曲であると同じくらいメイヴィスの曲ともなった名曲“The Weight”を出演者総出で歌うというフィナーレで締めくくられるのだ。
名ギタリスト、リック・ホルムストロムがリーダーを務めるバンドとやってくる日本公演では、彼女の熱唱に我々観客が大合唱で応じたい。
LIVE INFORMATION
Mavis Staples
メイヴィス・ステイプルズ
2025年3月11日(火)、12日(水)、13日(木)ビルボードライブ東京
開場/開演:18:00/19:00
※1日1ステージとなります
https://www.billboard-live.com/tokyo/show?event_id=ev-20327
■チケット代金 ※飲食代金別
DXシートDuo:50,000円(ペア販売)
Duoシート:47,000円(ペア販売)
DXシート カウンター:24,000円
S指定席:23,000円
R指定席:19,800円
カジュアル:17,500円(1ドリンク付)
※本公演はClub BBL会員、および一般販売をWEB受付のみ実施いたします
※法人会員は電話にてご予約承ります
■バンドメンバー
メイヴィス・ステイプルズ(ボーカル)
サンドラ・ウィリアムズ(ボーカル)
ケリー・ホーガン(ボーカル、パーカッション)
リック・ホルムストロム(ボーカル、ギター)
グレッグ・ボアズ(ベース)
スティーヴ・マリガン(ドラムス)