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2024年のソウル復刻&発掘タイトル、私的ベスト10はこちら!
選・文/出嶌孝次

LUTHER 『Luther』 Cotillion/Primary Wave/Legacy/ソニー(1976)

ドキュメンタリー映画「Luther: Never Too Much」の公開に伴う未発表曲の蔵出しもあったルーサー・ヴァンドロスの、グループ時代のアルバム2作品の世界初リイシューは2024年最大のトピックでした。こちらはそのうちのファースト・アルバムで、デヴィッド・ボウイ“Fascination”の原曲となる“Funky Music (Is A Part Of Me)”を筆頭に、すでに成熟した歌唱のスペシャルな魅力はいつ聴いても格別にして別格であります。

 

CASUAL-T 『Prescriptions For Love』 Rita Marley Music/Pヴァイン(2024)

CD化よりも再LP化の動きが目立ってきた昨今ではありましたが、それでも秘宝が簡単に聴けるようになるのは良いことでしかないです。こちらはジャマイカ産モダン・ソウルの最高峰が世界初CD化。ボブの妻リタ・マーリーによる自主レーベルから登場したヴォーカル・グループによる唯一のアルバムで、“Hands Off”など小気味良いディスコ/ブギーのグルーヴや青春AORの甘さに浸りつつ、終盤のスウィート・ソウル連打が何より極上です。

 

WAR 『The World Is A Ghetto: The Complete Sessions』 United Artists/Avenue/Rhino(1972)

ラテンやファンクやロックを融合したUS西海岸レジェンドの、全米No.1に輝いた名盤の新装豪華リイシュー。中身は2023年の50周年記念限定5LPボックスをそのまま4CD化したもので、6曲のボーナス・トラックに加え、収録曲の〈メイキング音源〉となるセッション録音の開陳が目玉でした。年明けに届く『Live In Japan 1974』も素晴らしい出来だし、今年は『Why Can’t We Be Friends?』の50周年記念盤も期待できるかも。

 

RON LOUIS SMITH 『Party Freak_s, Come On』 Sunshine Sound/Solid(1978)

いよいよ底が見えてきそうでまだまだ見えないTK系列レーベルのリイシュー。2024年もいろいろ出たなかでは、KC・アンド・ザ・サンシャイン・バンドでホーン隊のリーダーを務めたトランペット奏者によるこちらのソロ・アルバムも恐らく初CD化? ジミー・ボー・ホーン“Spark”の作者としても知られ、サンシャイン・バンド仲間やティミー・トーマスらの陽気なマイアミ・ディスコ・サウンドに朗らかなヴォーカルを響かせる好盤です。

 

THE SPINNERS 『Keep On Keepin’ On: The Atlantic Years (Phase Two: 1979-1984)』 SoulMusic(2024)

2024年には最後のオリメンとなるヘンリー・ファンブローが亡くなるも、現役の新作や編集盤などが続いた伝説的なヴォーカル・グループ。こちらはトム・ベルと離れたアトランティック後期のアルバム6枚(+75年のライヴ盤)をまとめた7CDセットで、時代ごとの旬な装いに挑んだ折々のスタイリングが楽しめます。フレディ・ペレン制作の『Grand Slam』(82年)やリオン・シルヴァース主導の『Cross Fire』(84年)あたりは改めて聴き返したい。

 

JESSE JOHNSON 『Jesse Johnson Revue / Shockadelica / Every Shade Of Love』 Robinsongs(2024)

80年代前半にプリンス配下のザ・タイムでデビューし、10年代はディアンジェロのバンドでも活躍したマルチな才人、ジェシー・ジョンソン。これはタイム脱退後にソロ契約したA&M時代のソロ作3枚を、シングル音源やサントラ収録曲なども含めて2CDに収めた編集盤です。初リイシューと思われる3作目『Every Shade Of Love』(88年)がイイ音で聴けるのも最高です。ミネアポリス・ファンク関連ではシーラEのリイシューなどもありました。

 

THE STYLISTICS 『Love Is Back In Style』 Marathon/Omnivore(1996)

2月には17年ぶりの新作も届くフィリー・ソウルの名門グループ。こちらはラッセル・トンプキンスJr.在籍時の最後の作品が新装リイシューされたもの。トム・ベルの弟子にあたるプレストン・グラスが自身のレーベルから送り出した隠れた佳作で、70年代マナーの空気で満たされています。同時期にレニー・ウィリアムズ『Chill』(94年)もリイシューされましたが、90年代の見過ごされがちな作品ももっと復刻されてほしいところ。

 

VARIOUS ARTISTS 『Electro Throwdown: Sci-Fi Inter-Planetary Electro Attack On Planet Earth 1982-89』 Soul Jazz(2024)

コンスタントに何かしらの秘宝が届けられている80sエレクトロ。ソウル・ジャズがコンパイルしたこちらは王道のSF曲を集めたもので、テーマもあってインストやロボ声のみの楽曲が中心となっています。ヘンリー・ストーンの仕掛けたエクストラT’sの“E.T. Boogie”や初期トミー・ボーイを象徴するジョンズン・クルー、プリティ・トニーらの歌心に溢れた曲が並び、ベン・ウィリアムズ&ビレオの“Robot People”のような歌モノもあり。

 

VARIOUS ARTISTS 『New Jill Swing 1988-94』 Ace(2024)

80年代末のニュー・ジャック・スウィング時代に、その女性版として生まれた呼称=ニュー・ジル・スウィング曲を集めたコンピ。グッド・ガールズの“Your Sweetness”からSWVの“I’m So Into You (Radio Remix)”、ジェイド“Don’t Walk Away”、アン・ヴォーグ“Lies (New Jack Remix)”をはじめ、フェンデレラやエクスケイプ、ナッティン・ナイスなど、この時代の躍動感を象徴する素敵な女性R&Bがストレートな選曲で楽しめます。

 

MARIAH CAREY 『Music Box: 30th Anniversary Expanded Edition』 Columbia/Legac/ソニー(2024)

ここから数年はマライアから何かしらのアニヴァーサリー作品が続いていきそうな予感ですが、こちらは説明不要な世界的ヒット作品の30周年記念盤です。未発表曲としてC&C作のソウルフルなダンス・ポップ“Workin’ Hard”やプラターズのカヴァー“My Prayer”、蔵出し曲だった“All I Live For”の長尺版、諸々のリミックス、さらにルーサー・ヴァンドロスとのデュエット“Endless Love”などこの時代のあれこれがまとめられています。