高感度な若者に刺さるタワレコ選りすぐりの最強ジャズレーベルのカタログ
今回リリースされたSACD Hybridは、2024年に創立85周年を迎えた最強のジャズレーベル、ブルーノートから厳選された20枚です。企画が発表された時から裏のストーリーを知りたかったのですが、タワレコの担当・馬場雅之氏からようやくコメントをもらうことができました!
ユニバーサルの日本独自企画で、同じく85周年を記念したシングルレイヤーSACDの〈ブルーノート@85 Remastered by Kevin Gray〉があり、〈最初ダブってリリース予定が組まれていたのですが、タワー側がリリースするタイトルをユニバーサルさんがご配慮して下さいまして、外すことにしてくれました〉とのことです。日本の筋金入りのブルーノートファン(ボク自身は筋金入りではありませんが)にとっては、さすがにダブってリリースされるのは困りますが、初めて聴く20代の若者たちにとってはいい並べ方です。
馬場氏のコメントはこう続きます。
〈今回の20タイトルを選んだのは私です。ブルーノート・レーベル85周年の記念年ということを前提に置きつつ、選盤に関しては下記の基準で選ばせていただきました。★誰もが知っている超有名盤の復刻。★ディーラーが復刻する際、メーカーは自社でもリリース可能な超名盤はOKを出してもらえないことが多いですが、今回は特別にOKをいただけましたのでGOとなった次第です。あとは購入されるお客様にやはり「基本」を押さえて欲しいという意図もございました。★未SACD化の名盤を復刻。超名盤だけでなく、未SACD化の名盤にトライすることで、シリーズのラインナップに深みを与えることが大きかったです。「高音質で聴きたいBN名盤、まだまだあるぞ」という意味合いでしょうか。初めて聴く方のためのセレクションといえば、そのような傾向を持ったラインナップになるかと思います〉。
ボクも初めての人に勧めるのは、なんと言っても〈名曲〉の〈名演〉で〈いい録音〉=超名盤となるので、ほぼ同じものを選ぶなと思います。ただ、個人的にはセロニアス・モンク『Genius Of Modern Music Vol. 1』と『Vol. 2』や『Sonny Clark Trio』は?と思いつつも、まずは20代の若者向けに厳選された20枚に納得しました。
感受性の高い人には間違いなく響きますから、深掘りしたい人は、RVG盤でもケヴィン・グレイ盤でも、それこそTOWER VINYLでレコードを掘るようなこともしてほしいのです。名盤のアメリカ盤ファーストプレスなんかは、コレクターズアイテムの高額商品で手が届きませんが、まったく同じ演奏の日本盤でも当時大量にプレスされたレコードは、多少キズがあるものは300円くらいでも買えることがあります! そういったものは、初めてのDJでもキャンプ用のポータブルレコードプレーヤーでも気軽に扱えます。
先ほど書いたように、〈いい音〉を〈いいオーディオ〉で、あるいは〈いい音のクラブ(現代のジャズ喫茶)〉で〈大きめのいい音のスピーカー〉で、ノリノリで年齢、ジェンダー、国籍関係なく共有できる空間が欲しいですね。そのためには、レコード会社、レコード店、オーディオマニアの壁を超えて、ライターさんも評論家もこのSACD Hybridをぜひ盛り上げましょう。
今回の20枚を、あくまで個人的に好きなアルバム順(これもその時期の気分で変わるのですが)に並べて、しかも〈ジャケ買い〉マークを★の数でつけてみました。
キャノンボール・アダレイ『サムシン・エルス』Cannonball Adderley / Somethin’ Else(1958年)★
ハービー・ハンコック『処女航海』Herbie Hancock / Maiden Voyage(1965年)★★
ハービー・ハンコック『スピーク・ライク・ア・チャイルド』Herbie Hancock / Speak Like A Child(1968)★
リー・モーガン『リー・モーガン Vol. 3』Lee Morgan / Vol. 3(1957年)★★
リー・モーガン『ザ・サイドワインダー』Lee Morgan / The Sidewinder(1964年)★
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『モーニン』Art Blakey & The Jazz Messengers / Moanin’(1958年)
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『モザイク』Art Blakey & The Jazz Messengers / Mosaic(1961年)
ソニー・ロリンズ『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』Sonny Rollins / A Night At The “Village Vanguard”(1975年)
ソニー・ロリンズ『ニュークス・タイム』Sonny Rollins / Newk’s Time(1959年)
ソニー・クラーク『クール・ストラッティン』Sonny Clark / Cool Struttin’(1958年)★★★
エリック・ドルフィー『アウト・トゥ・ランチ』Eric Dolphy / Out To Lunch!(1964年)★★★
ジョン・コルトレーン『ブルー・トレイン』John Coltrane / Blue Train(1958)
ウェイン・ショーター『ジュジュ』Wayne Shorter / Juju(1965年)初SACD化
ホレス・パーラン『アス・スリー』Horace Parlan / Us Three(1960年)★
ジャッキー・マクリーン『デモンズ・ダンス』Jackie McLean / Demon’s Dance(1970年)
ケニー・バレル『ミッドナイト・ブルー』Kenny Burrell / Midnight Blue’(1963年)★★
バド・パウエル『ザ・シーン・チェンジズ』The Amazing Bud Powell / The Scene Changes, Vol. 5(1959年)
ホレス・シルヴァー『ソング・フォー・マイ・ファーザー』The Horace Silver Quintet / Song For My Father(1964年)
ハンク・モブレー『ディッピン』Hank Mobley / Dippin’(1966年)★
ボビー・ハッチャーソン『ハプニングス』Bobby Hutcherson / Happenings(1967年)★初SACD化