左:挾間美帆(©Dave Stapleton) 右:滝千春(©KOHÁN)

次代のジャズ界とクラシック界を担う2人新プロジェクト〈MaNGROVE〉を語る!

 伝統ある米国のジャズ雑誌「ダウンビート」における作曲家と編曲家のランキングに10年連続で選ばれ続けているように、ジャズの世界の第一線で活躍する挾間美帆。彼女が世界的ヴァイオリニスト滝千春とタッグを組んだ、全く新しい企画が〈MaNGROVE〉だ。

挾間「マングローヴは熱帯雨林のアマゾンに生息する非常に貴重で、唯一無二ともいえるユニークなアイデンティティをもった植物ですよね。このプロジェクトのユニークさを表し、なおかつ人(Man)が紡ぐグルーヴィー(Groovy)な音楽を生み出したいといった思いから、みんなで知恵を出し合って名付けました」

「挾間さんとは数年前に弦楽でヨーロッパ・ツアーをすることが決まっていたんですけど、新型コロナのために何度も延期された末に中止されてしまいました。MaNGROVEはそのリベンジでもあるんです」

 挾間は自身のグループ〈m_unit〉でもジャンルレスに弾きこなす優れた奏者たちが集った弦楽四重奏を擁しているが、MaNGROVEでは滝千春、山根一仁、佐藤晴真といった日本のクラシック業界におけるトップスターに、滝が惚れ込んだ逸材ルオシャ・ファンが加わって弦楽四重奏を結成。そこにジャズとクラシックのどちらも弾きこなすコントラバスの木村将之と、ピアニストとして挾間が加わるアコースティックな六重奏だ。

挾間「私にとってデビューにあたる公演で初演した“Space in Senses”の六重奏版や、モルゴーア・クァルテットのために書いた弦楽四重奏曲“CHIMERA”などをこのメンバーで再演できるのが楽しみです。でも私の曲ばかりにはしたくなくて、敬愛するオガーマンが編曲したチャップリンのスマイルを滝さんと私のふたりで演奏します。他にもクラシック音楽のファンの方にも興味を持ってもらえる曲目として、私も滝さんも大好きなプロコフィエフの“ロメオとジュリエット”を選びました。今回のテーマであるグルーヴィーなアレンジを加えられたならと」

 会場となる小金井 宮地楽器ホールは大ホールといっても578席なので、非常に親密な距離感でアコースティックだからこその良質な響きを楽しめる。

「小金井市は私にとって地元なのですが、小金井 宮地楽器ホールではシュニトケやペルトを取り上げる攻めた企画をやらせてもらったりと非常にお世話になっています。ここでまた新しいプロジェクトをはじめられるのが本当に嬉くて。とてもいいホールなので小金井まで是非とも聴きに来ていただきたいですね」

 


LIVE INFORMATION
挾間美帆 & 滝 千春 project MaNGROVE

2026年1月17日(土)東京・小金井 宮地楽器ホール 大ホール
開演:14:00

■出演
挾間美帆(プロデュース、作・編曲、ピアノ)
滝 千春(ヴァイオリン、プロデュース)
山根一仁(ヴァイオリン)
ルオシャ・ファン(ヴィオラ)
佐藤晴真(チェロ)
木村将之(コントラバス)

■予定曲目
チャップリン(C.オガーマン 編):スマイル
プロコフィエフ(挾間美帆 編):バレエ組曲“ロメオとジュリエット”Special Selection for MaNGROVE
挾間美帆:B↔︎C(MaNGROVE Edition)
挾間美帆:CHIMERA
挾間美帆:組曲“Space in Senses”より ほか
※曲目・曲順は変更となる場合がございます。予めご了承ください

https://koganei-civic-center.jp/calendar/2026/01/058524.html