ワーナーミュージックの洋楽名盤シリーズ〈FOREVER YOUNG〉発のリイシュー作品を紹介! 今回は新春の来日に合わせてレジェンドの名作群が一挙登場です!
洋楽名盤をリイシューするワーナーミュージック発の〈フォーエヴァー・ヤング〉シリーズから定番タイトルを紹介していく連載。今回はペット・ショップ・ボーイズの合計11タイトルをご紹介しましょう。
音楽誌の編集者だったニール・テナント(ヴォーカル)と学生のクリス・ロウ(キーボード)が出会って81年にロンドンで結成されたペット・ショップ・ボーイズは、それから不動のコンビで活動しているエレクトロ・ポップ・デュオ。84年にエピックからシングル“West End Girls”を発表し、翌年にパーロフォンから再リリースした同曲が全英No. 1に輝いて表舞台に登場しました。99年には〈英国の音楽史でもっとも成功したデュオ〉としてギネス認定。現時点での最新作となる2024年の『Nonetheless』まで、すべてのオリジナル・アルバムが全英TOP 10入りを記録しています。
新年1月には〈rockin’on sonic〉のヘッドライナー出演※と東京/神戸での単独公演で7年ぶりの来日も控えるなか、往年の名作たちを通じてその圧倒的な魅力を改めて確認しましょう!
※ニール・テナントが体調不良のため出演キャンセルとなりました
UKのみならずUSでもNo. 1に輝いたシングル“West End Girls”の勢いに導かれ、全英3位/全米7位まで上昇したファースト・アルバム。ワールズ・フェイマス・シュプリーム・チームで名高いスティーヴン・ヘイグをプロデュースに迎え、イタロ・ディスコやヒップホップの要素を繊細な歌世界に落とし込んでいる。“Love Comes Quickly”や“Opportunities (Let’s Make Lots Of Money)”といった代表曲を収録。
メジャー・デビュー前の楽曲リメイクも交えつつ、よりダンサブルでメロディアスな音世界を押し出して全英2位を記録したセカンド・アルバム。後にイヤーズ&イヤーズもカヴァーしたドラマティックなハイエナジーの“It’s A Sin”と“Heart”が全英No. 1に輝いたほか、ダスティ・スプリングフィールドを招いたエレガントな“What Have I Done To Deserve This?”も全英2位を獲得している。邦題は〈哀しみの天使〉。
12インチ・シングルの考え方をアルバムに持ち込み、ダンス・ミュージックをテーマに長尺のトラックのみで固めた異色作。フリースタイル調の“Domino Dancing”やトレヴァー・ホーンと組んだ“Left To My Own Devices”をはじめ、前年に全英No. 1を獲得した“Always On My Mind”も別曲とメドレーで収録。フランキー・ナックルズの起用や“It’s Alright”のカヴァーなどシカゴ・ハウスへの興味も光る。
前作への反動もあってか、ダンス・ミュージックの導入が常道となっていく時流を横目に、アナログ・シンセ主体で繊細なポップネスを追求した4作目。ハロルド・フォルターメイヤーが共同プロデュースを担い、パンピンなヒット“So Hard”も歌心に溢れている。アンジェロ・バダラメンティのオーケストラ・アレンジによる“This Must Be The Place I Waited Years To Leave”などにはジョニー・マーが参加。
休止期間を経てアップリフティングな方向に揺り戻し、アルバムでは初の全英1位を記録した金字塔。ブラザーズ・イン・リズムも助力したヴィレッジ・ピープルのカヴァー“Go West”を筆頭に、ハイエナジーの“Yesterday When I Was Mad”など吹っ切れたような爽快感が印象的で、ヴィジュアル面を刷新してシュールなコスチュームを纏うなど、以降のPSBのイメージを作り上げたとも言える重要作だ。
南米ツアーを通じて深めたラテン〜ブラジル音楽のリズムへの関心から始まった6作目。オロドゥンの曲を基にしたヒット“Se A Vida É (That’s The Way Life Is)”をはじめ、ゲッツ/ジルベルトをサンプルした“It Always Comes As A Surprise”、ロシアの合唱団を迎えた“A Red Letter Day”など野心的な試みが色鮮やか。そこにダニー・テナグリアとの流麗なハウス“Before”が共存するのもPSBらしさだ。
カイリー・ミノーグとのデュエット“In Denial”など物語性の濃い曲も含め、〈ナイトライフ〉の刺激も闇も描いた7作目。クレイグ・アームストロングの共同制作曲で幻想的な全体像を描きつつ、フェイスレスのロロを起用したトランス系の“For Your Own Good”などがモダンなフロア感覚を担保する。デヴィッド・モラレス制作の象徴的な“New York City Boy”ではヴィンセント・モンタナの管弦アレンジも爽快だ。
クリスの提案によってダンス路線とは真逆の方向を模索したという8作目。メランコリックなギター・ロック調のヒット“Home And Dry”やニールが〈自分たちのオアシス〉と評したビートルズ風な“I Get Along”など、シンセの使用を控えてジョニー・マーのギターなどを前に出し、バンド演奏風に仕立てた曲が目立つ。移民をテーマにした“London”やエミネムへ捧げた“The Night I Fell In Love”など美曲が多い。
久しぶりにトレヴァー・ホーンとタッグを組んでふたたびダンス・ポップ色を強めながら政治的なメッセージの色合いを深めた9作目。先行ヒット“I’m With Stupid”やヴォコーダーも印象的な“Minimal”など、往年の80sテイストを全開にした音作りはエレクトロクラッシュ以降の世代にリアルタイマーの余裕を見せつけるかのよう。驚きのダイアン・ウォーレン提供曲“Numb”もドラマティックでハマっている。
メインストリーム志向の大らかなポップ・チューンが並ぶ10作目。一世を風靡したガールズ・アラウドとの仕事に感銘を受けてゼノマニアを共同プロデューサーに迎え、先行ヒット“Love etc.”などはそのチームとのコライトで生まれている。ジョニー・マーが要所でギターやハーモニカを演奏し、そのうち60年代フォーク・ロック風味の“Beautiful People”ではオーウェン・パレットがオーケストラ・アレンジを担当。
カニエ・ウェストとの仕事で目をつけたエンジニアのアンドリュー・ドーソンを共同プロデューサーに迎えてLAで制作された11作目。いつもとは違う落ち着いたムード創出を試みたようで、冒頭のスムースな“Leaving”や重厚な“Hold On”、レトロなハーモニー・ポップ“Give It A Go”などウォーターズのコーラス参加曲が新鮮に響く。引き続き全英TOP 10入りした本作をもってひとまずパーロフォンを離れることに。
それ以降のペット・ショップ・ボーイズの作品や近年のリイシュー作品を一部紹介。
左から、2013年作『Electric』、2016年作『Super』、2020年作『Hotspot』(すべてx2)、新装リイシューされた93年のEP『Relentless』、最新リマスターでリイシューされたテナント/ロウ名義による2005年のサントラ『Battleship Potemkin』(共にParlophone)











