
悲しみから希望が湧き上がる14分の組曲“SKYWARD PRAY”
──その楽曲を踏まえた上で、アルバム『SKYWARD PRAY』の制作に入られたわけですが、全体像みたいなものはありましたか?
YUHKI「今回に関しては、コンセプトやトータルイメージがまったくなかったんです。去年の夏の終わり頃に、レーベルから〈出しますよね?〉と言われて、そうだった!と(笑)。
それで、“Forevermore 〜記憶のフレーム〜”は、元々ALHAMBRAでやりたいと思ってワンコーラス作っていたのと、“Mediterranean Sea”は、実は自分が30年前に作った曲なんです。ふとしたタイミングでこの曲を思い出して、昔のMIDIシーケンサーで作っていたのでフロッピーから復元して、改めて聴いたらすごくおもしろかったので、今のメンバーでこれを是非やりたいと。だから最初はあまり新曲を作っていなかったんです」
──現時点で手元にあるものを形にしていくという。
YUHKI「それもあって自分でもどんなアルバムになるのか予想がつかなかったですね。わりとバラバラで、思いのままに作った曲で構成されているのもいいなと思って、その後に“Photograph”や“A Fleeting Actress”が立て続けにできたんですけど、終盤まで要の“SKYWARD PRAY”だけが影も形もなかったんです(笑)」
──タイトル曲でもあり、“水晶の雨”シリーズの続編でもある“SKYWARD PRAY”は、早めに作っていたのかなと思いきや(笑)。どんなところから作り始めたんですか?
YUHKI「アルバムにはいつも仰々しいオープニングをつけていたので、そういったものを作ろうと。それと同時に、リードトラック的な勢いのある曲を一緒に作っていたんですけど、それがリンクしていった感じでしたね。このメロディをバラードでやったら今までにない雰囲気になるんじゃないかな、それをオープニングに繋げるといい流れになるんじゃないかな、組曲となるとインストパートでも世界観を表現したいな……とやっていたら14分の曲になってました」
Junko「送っていただいたファイルのタイトルに〈水晶〉と入っていたので、前作、前々作のイメージと繋げながら、曲の冒頭に印象的な水音があったので、水底から始まるものにしようと思いました。
あとは、悲しいという感情と希望のイメージが同時に湧き上がるような旋律だったので、悲しみから希望へ繋がるような歌詞にしようと思ってましたね」
20代の頃より広がったJunkoの音域
──“第二章 〜静寂の翼/甦る翼〜”の荒々しい歌い方も素敵ですよね。
YUHKI「Junkoさんってどうしても高い声のイメージをみなさん持たれていて。今もあいかわらず高い声がものすごく出ているんだけど、昔に比べて声の線が太くなっているんですよね。たとえば“第三章 〜孤高の天使〜”のAメロも、昔だったら少し物足りない感じがしたと思うけど、今はすごいパワフルで、Junkoさんのこういうのを聴きたかったんだよなぁって」
──Junkoさんとしても、そういった声も武器になるなと思われたりとか?
Junko「自分では全然意識してなかったです。ただ、音域的には20代の頃より全然広がっていて」
YUHKI「化け物ですよ(笑)」
Junko「(笑)。高いところの出し方は経験でもう分かっているんですけど、低いところは声が通っていかないから、昔から苦手なイメージがあったんです。でも、最近はコツを掴めたというか、わりとラクに出せるようになった感じもあって。だから20代の頃より今のほうが全然ラクに歌えている感じがありますね」
YUHKI「基本的にこの人おかしいんですよ。普通はまず上のほうから出なくなってくるのに、上が衰えないどころか下がパワフルになっちゃったもんだから。個人的に歌は過去最高にいいと思ってます」
長谷川「僕としては“第二章 〜静寂の翼/甦る翼〜”のインストセクションがめちゃくちゃかっこいいなと思って。すごくやり甲斐がありましたね。Hidekiくんとリズムセクションのカッコよさをしっかり出せればいいなと思って。そこから壮大に、どんどん盛り上がっていく感じで出せたらいいなと。
僕はこういったまさにプログレなものとか、物語になっている曲が本当に好きなんですよ。弾いていてすごく感情移入もできますし、これはライブでやったらすごいんだろうなって思いましたね」