
スタジオにも入れず、短時間で集中して録音
――Grave to the Hopeの第2章の幕分けを告げる曲だと思います。本番のレコーディング前にプリプロはしたのでしょうか?
Ken「まったくしていません。息子の入院の付き添いで丸1か月病院に泊まり込むこともあったので、時間がなくて。6年間、スタジオも1回も入れない状態でした」
――では、レコーディングはつい最近始めた?
Ken「5月ですね。撮影と歌のレコーディングを、声出しを含めて6時間でやりました」
Keija「Kenのスケジュール上1日しか取れない状況だったので、Kenが〈集中して全部やろう〉って」
――4曲を1日でよく録れましたね。それまでにオケは完成させていたのでしょうか?
Keija「はい。Grave to the Hopeは僕1人で作っているので、本当に大変なんですよ(笑)」
――数人分の作業ですからね。楽器のレコーディングはいつ始めたんですか?
Keija「去年の年末ぐらいだったと思います」
――この4曲に決まったのはどの段階でしたか?
Keija「最初の構想は3曲入りシングルだったんですが、小倉さん(Walküre Records主宰の小倉慶介)に相談したところ〈1曲増やしてEPにしたほうがいい〉と言われて、今年の頭にタイトル曲を書いたんです。このタイミングで出さないともう出せない、早く出したい、という気持ちは2人ともあったのでEPという形にしました」
空の上から見守る亡き姉
――最初にできた“The Sad Coffin”は、Kenくんのお姉さんへの思いを綴った曲ですよね。
Ken「姉への思いも込めていますが、姉の性格を踏まえて、姉がいま生きている僕らをどう見るかという視点も交差させています。弔いの意味も込めた歌詞なので、わかりやすくてストレートな歌詞やと思いますね」
――お姉さんとは何歳離れていたんですか?
Ken「7歳で、Keijaさんと同い年なんです。SERPENTのライブにも来てくれていたので、姉が亡くなったことにはKeijaさんもびっくりしていました」
Keija「びっくりしましたし、すごいタイミングでこの悲しい曲を送ってしまったので、僕自身も込み上げるものがありましたね」
Ken「姉は僕の娘を可愛がってくれていたので、娘と嫁のショックも僕にダイレクトに入ってきました。それでも〈自分がしっかりせんかったらあかん〉〈前を向いて生きていかなあかん〉と思って、泣きごとは言えない状況でしたね」
――歌詞を書いたのはいつだったんですか?
Ken「葬儀が終わった頃から思いついたワードはメモしていました。スラスラッと書いたので、1か月もかからなかったと思います。手直しはしましたが、生々しい感じを残したかったので、初稿からあまり変えていません」
――この曲を聴くと、お姉さんのことを思い出してしまいますよね。
Ken「そうですね。空の上から僕らのことはどう見えてるのかな? 僕らが笑って過ごせたらいちばんいいんじゃないかな?と。娘と嫁と僕が病室から出るとき、姉が最後に言った一言は〈私の可愛い子たち、バイバイ〉やったんです。会うのはこれが最後だとわかっていたんでしょうね。だから、その先を見守ってくれている感覚がいまでもあるんです」
Keija「Kenの心情はわかっていたので、仕上げのときに最後のアレンジを変えたんです。ストレートに終わるところを最後だけ溜めて終わるようにして、より感動的にしました」
Ken「いつもと違うドラマティックな感じですよね。これは初めて言いますが、アレンジの変更からKeijaさんの思いが伝わってきて、僕もドラマティックに歌を乗せたいと思ったんです」
Keija「いつもはフィクションの歌詞ですが、今回はリアルなので気持ちの込め方が違いますよね」