協会盤のレア音源も含んだ没後60年企画盤など、フルトヴェングラーのアルバムが相次いで登場。2014年のフルトヴェングラー没後60年企画として、ワーナー・クラシックスとキングレコードから注目アイテムが発売される。
ワーナーでは、EMI音源を順次移行リリースしているが、2011年に「フルトヴェングラー生誕125周年記念企画」として生産限定盤でリリースされたリマスターSACD(ハイブリッド)シリーズ23タイトルが、プライスダウンした通常盤として11月12日に発売。拍手や足音も収録した『バイロイトの第九』を含んだベートーヴェンの交響曲全集、ウィーン・フィルとの名演集『ウィーンのフルトヴェングラー』3タイトルなど、定評ある音源ばかり。
キングレコードからは、「フルトヴェングラー没後60年企画」として4タイトル。まずは、フルトヴェングラー最後の「第九」として知られる1954年8月22日、ルツェルン音楽祭でのフィルハーモニア管とのライヴ音源『ルツェルンの第九』がSACDハイブリッド盤で12月3日に発売。フルトヴェングラーのリアス放送録音の「1st マスター・リリース」で名を馳せることになったアウディーテ社が、バーゼルのスイス放送局に門外不出で保管されていた放送用オリジナルテープから、ピッチの揺れやノイズ成分も厳しくチェックし、入念にマスタリングしたものを国内先行発売する。また、1953年5月31日のライヴ音源『ウィーン芸術週間の第九』と、1954年のザルツブルク音楽祭での『ドン・ジョヴァンニ』は、日本フルトヴェングラー協会の音源をリマスターしての発売。特に後者は、今までの正規EMI盤はフィナーレ部分の欠落を53年の録音で補完していたが、本盤は当協会が2005年に完全音源を探し出し、完全収録盤世界初出として出していた貴重な音源の復刻。『ヒトラーの第九』は、1942年4月19日のヒトラー誕生記念日前夜祭でのライヴ音源。2004年の世界初出盤など既発盤は既に入手困難。いずれも、アニバーサリー・イヤーに相応しいラインナップだ。