この半世紀近く、バナナのもたらす副作用から抜け出せずにいるインディーズ・ミュージック界隈。彼らの残した足跡を辿っていく上で、本作は起承転結の「転」となる。「承」とは裏表な存在。前作に於けるJohn Caleの凶暴性から脱却し、職業作曲家として培われたメロディ・メーカーLou Reedの「素」が遺憾なく発揮された感すらある。今回は発売から45周年という節目での「完全盤」として、全貌を体感することができる。非常に重要なのが公式盤として聴くことが出来る点。Lou本人による、Closet Mixの生々しさ。本作の時点でソロとしてのLou Reedが完成されている。