1年半ぶりに放つオリジナル5作目。マーヴィン・ゲイ風のファルセットや多重コーラスを絡めた甘美なスロウ・ジャムが続出する点は従来通りながら、トロンボーン・ショーティを招いてジョデシィ曲のフレーズも織り込んだディスコ調ナンバーを含む今作は、密室的だった前作よりも開放的で躍動感がある。名曲“Woman”の続編とも言えるチャッキー・トンプソン制作の“Queen”はクラシック確定だし、フィリーの管弦を使ってレニー・ウィリアムズを気取ったような“When You Love Somebody”やBJ・ザ・シカゴ・キッドとの“Baby Come Back”といったブルージーなソウルなど、曲ごとの存在感が際立つ。盟友ドレー・キングが手掛けた後半部の『I Want You』なムードにも酔わされる、キャリア屈指の名作だ。