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輝く可能性
ケンドリックが『To Pimp A Butterfly』というタイトルに込めた真意だったり、アルバムを通して真っ先に伝えたかったことは、蝶と芋虫を題材にしたこの最後の詩に集約されている。蝶をフッドから抜け出した成功者に、芋虫をフッドに生きる〈ストリートの囚人〉になぞらえた詩は、要約するとこんな感じになるだろうか。〈芋虫は時に疎まれ蔑まれるが、蝶が持つ才能や思慮深さ、美しさはそもそも芋虫が内包していたものであり、あきらかに違う生き物のように見える蝶と芋虫は、実はまったく同一のものなのだ〉――もしこの詩を繰り返し読んでみてもケンドリックの意図についていまひとつピンとこないようであれば、アルバムを流したときにいちばん最初に聴こえてくる言葉、ボリス・ガーディナーが歌う〈Every nigger is a star〉というフレーズをここに重ね合わせてみるといい――すべての芋虫は、蝶になる可能性を秘めている。すべてのニガーは、輝く可能性を秘めている。ケンドリックが『To Pimp A Butterfly』を通じて何よりも強く訴えたかったのはそういうことであって、ケンドリックは本気でコンプトンの子供たちの希望の光になろうとしているのだ。