DIPLO Random White Dude Be Everywhere Mad Decent(2014)
久々のソロ名義でのフル・アルバム、というか“Revolution”など近年のアンセムを束ねたコンピ的な一作。ここ1~2年のブーティーなトゥワーク・モードを軸に、変わらぬベース野郎ぶりを窺わせる信頼の内容です。イエロー・クロウやスティーヴ・アオキら、来客の多すぎる賑やかなパーティー!
レイザー少佐の先行ヒット“Lean On”にフィーチャーされたのはデンマークのムー。本国を中心に大ヒットしたこの処女作においては、前フリとしてディプロと“XXX 88”でコラボしていました。昨年“One More”で共演したエリファントと並んで、今後もディプロ周辺サークルでの活躍が期待できそうです。
ディプロがアーバン系のメインストリームに進出するうえで大きな実績となったのは、アッシャーやクリス・ブラウンとの大ヒットだったでしょう。後者にとって“Look At Me Now”以来となる本作表題曲でのコラボは、抜き差し自在なトラップと緩急を弁えた歌唱の相性抜群な絡みによってまたもクールな出来に!
懐かしい10年前(ホラートロニックス!)に“Hung Up”をリミックスしていたディプロに、いよいよ女帝からのお誘い。ソフィーをフックアップした“Bitch, I'm Madonna”から先行ダンス・ヒットまで作中の核となる活躍を見せています。しかも交際話も浮上して、まさに“Living For Love”? どっちも流石です。
欧米ポップ見本市ライクな作品でも常連になっているディプロは、前年のブリトニーやシーアに続き、ここで表題曲をプロデュース。ティンバったノリと現代トラップ感を繋いでダークに響かせています。しかし、本作からの大ヒット“Bang Bang”あたりを聴くと、往時のディプロ・メソッドの普遍化を感じますね。
DILLON FRANCIS Money Sucks, Friends Rule Mad Decent/Columbia/ソニー(2014)
今夏の〈ソニマニ〉出演を受けて日本盤も出たマッド・ディセント構成員。DJスネークとのデカい罠“Get Low”や青春EDMの“When We Were Young”など、従来のムーンバートン以外にも音の多彩さと振り切れっぷりは問答無用でしょう。“We Make It Bounce”にはレイザー少佐も登場!
2NE1のCLらと放った“Doctor Pepper”や以前の“Rock Steady”など、ディプロ絡みの曲にたびたび起用されてきたヒューストンのラッパー。ディプロもパープルなド南部愛を丸出しに3曲をプロデュースした本作はマッド・ディセント発で、先日はOGロンCのスクリュー盤も出たばかり。楽しそうで何よりです。
このトリニダード・トバゴのスターがジャックUの“Jungle Bae”に迎えられているのも、当然ディプロの采配に他ならないでしょう。メジャー流通で世界に向けて幅広くダンスホール~ソカの魅力をプレゼンした本作には、表題曲をメジャー・レイザー・リミックスの体裁で収録。今後も期待したいコラボです。
いかにもディプロが好きそうな、アーシーで怪しいサウス感……ってことで、現行アトランタのトップを張る男の今作には、FKiやDJAと共同でディプロも3曲に関与しています。それが前置きだったのか、今回はメジャー・レイザー“Night Riders”とジャックU“Febreze”と、双方のアルバムに招かれる厚遇ぶり!
SKRILLEX Recess OWSLA/Big Beat/Atlantic/ワーナー(2014)
初のフル・アルバム。〈ブロステップ〉蔑視を自認しつつ強烈無比な武器に磨き上げ、チャンス・ザ・ラッパーらも呼んで〈俺だけの王道〉感を轟かせる出来がアツい。CLとG-DRAGONを迎えたシャープなラップ曲“Dirty Vibe”は盟友ディプロとの共同プロデュースで、ジャックUへ向かう前哨戦のような一撃!
VARIOUS ARTISTS OWSLA: Spring Compilation 2015 OWSLA(2015)
マッド・ディセントに比べると動きは緩やかながら、これまでもゼッドやポーター・ロビンソン、ディロン・フランシスらを援護してきたOWSLA。今回CD化されたレーベル・コンピには、ジャックUのリミックスや、スクリレックス曲でお馴染みのラガ・ツインズ、ジャック・ビーツなどなどの注目曲が満載です。