9月のバトルスに続きトータスの新作リリースが7年ぶりに決まり、新旧ポスト・ロックの顔役が揃い踏み! これまでと同様、緩急自在に楽器を操り、湿り気を帯びたセンチメンタルなメロディを乗せるトータス節は、この長いインターバルを微塵も感じさせない程。そうはいってもそこはトータス。2本の柔らかいメロディを重ねる立ち上がりから、後半シンセを明滅させ激しさを増す先行シングル《Gesceap》やデヴィッド・エセックスのヒット曲《Rock On》の重厚なカヴァー、ヨ・ラ・テンゴジョージア・ハブリーが参加したソウルフルな歌もの《Yonder Blue》など、予想だにしない曲を放り込む憎い演出もアリ!

 


ポスト・ロック人気が復活しつつあるなか、シカゴの重鎮が7年の沈黙を破って新作を発表だ。ダブ、ミニマル、エレクトロニカ、プログレなどを跨いだ音作りは相変わらずだが、冒頭の都会的なフュージョン・ジャムをはじめ、いつもよりキャッチーで風通しは良好。また、複数の歌モノを用意しているのも彼らにしては珍しく、とりわけヨ・ラ・テンゴのジョージアがマイクを握る正統派のバラードに驚かされ、そして泣かされた。