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NYを席巻したライヴの模様をレポート 

去る1月16日に、ゴーゴー・ペンギンは、NYのジャズ・シーンを代表する冬の祭典、〈ウィンター・ジャズフェスト〉に出演した。世界各地から関係者が集い、シーンの動向を占うこのショウケース・イヴェントで大きくアピールすることに成功したようだ。ここからは、ライヴ写真と共に現地から届いたレポートをお届けしよう。ちなみに、4月2日(土)、3日(日)に予定される来日公演を挿んで、今年4月には世界最大級の音楽フェスである〈コーチェラ・フェスティヴァル2016〉への出演も決定している。 *Mikiki編集部

ゴーゴー・ペンギンのNYデビューは、アメリカン・パフォーミング・アーツ・プレゼンター協会(APAP)と、ジャズ業界のコンファレンスである〈Jazz Connect〉に連動して1月13日から17日に開催される一大ショウケース・イヴェントであるウィンター・ジャズフェストで飾られた。年々巨大化する同フェスは、2016年は13の会場で131のグループが演奏し、その中でもゴーゴー・ペンギンは異彩を放っていた。1950年代から70年代初頭に数々のジャズ・レジェンドが演奏し、多くのライヴ・アルバムをリリースしているジャズ・クラブ、ヴィレッジ・ゲイトの後継ヴェニューである〈 Le Poisson Rouge〉 に出演。この日の同クラブでは、レーベルメイトのホセ・ジェイムズ黒田卓也に続いて登場し、トリをとった。

クリス・アイリングワース(ピアノ)

 

ニック・ブラッカ(ベース)

 

オール・スタンディングのクラブが熱気に包まれるなか、ステージにクリス・アイリングワース、ニック・ブラッカ、ロブ・ターナーが立つ。オープニング・チューンは彼らをスターダムに乗せたアルバム『V2.0』の1曲目“Murmuration"。ターナーの重厚なリズムに、アイリングワースのミニマルなリフが、シンプルなコードに乗って繰り返され、ブロッカのベースラインがシンクロし、ワイルドなアルコ・ソロに突入した。

続く“One Percent”ではさらにリズムが躍動し、オーディエンスを激しく揺らす。エレクトロニカの影響を受けたシンプルなリフや、ポリリズムが一体となって卓越したテクニックと共に押し寄せる。混沌とした UKの音楽シーンを象徴するサウンドと言えよう。 ヨーロッパとドン・ウォズを虜にしたグルーヴがLe Poisson Rougeを席巻する。

ロブ・ターナー(ドラムス)

 

そこから、リリース直前(※出演時)のニュー・アルバム『Man Made Object』からのナンバーがプレイされる。90年代にブルー・ノートは、NYアンダーグラウンド・シーンのカリスマであるメデスキ・マーティン&ウッドと契約することで、その評価をワールドワイドに拡大してみせたが、まるで当時のデジャヴを見るようだ。また2003年にメジャー・デビューを飾ったバッド・プラスは当時、最爆音ピアノ・トリオの称号を与えられたが、そのタイトルはいま、ゴーゴー・ペンギンに移った。新たなる21世紀のブリッティッシュ・インヴェイションが始まる。

 


 

ゴーゴー・ペンギン
日時/会場:4月2日(土)、3日(日) ブルーノート東京
・1stショウ 開場16:00/開演17:00
・2ndショウ 開場19:00/開演20:00
料金:自由席/7,800円
※指定席の料金は下記リンク先を参照
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