インタビュー

クラシックギターの貴公子、ミロシュがセルジオ・アサドやトーリ・エイモスら迎えビートルズ・ソング取り上げた4作目を語る

(C)Andy Earl/Mercury Classics

 

今をときめくクラシックギターの貴公子がビートルズソングのアルバムを制作!

 バルカン半島モンテネグロ出身のクラシックギター奏者ミロシュの4枚目のアルバムがリリースされる。今回のアルバムのテーマはビートルズ。ロンドンのアビイ・ロード・スタジオで行われたリリース記念イヴェントで話を聞くことができた。

 「今まで3枚のクラシックアルバムをリリースしてきた。今はギアチェンジの時期だと思い、全く別のものに挑戦しようとこのテーマを選んだ」

 8歳でギターを習いはじめた歌う事が好きな少年は《イエスタディ》を聴いた事はあったけれどビートルズと強い接点があった訳では無い。

 「僕の国ではいろいろな事に対するアクセスが制限されていたので。僕のビートルズへの最初の接点はタケミツ。ロンドンに来てからの学校の先生が武満徹アレンジの曲を勧めてくれて。それで演奏してみて好きになった」

MILOS KARADAGLIC ブラックバード~ザ・ビートルズ・アルバム Mercury/ユニバーサル(2016)

 この武満アレンジの《イエスタディ》はもちろん収録されている。曲はクラシックギターで弾いたら良さそうなものを選び、その後必要な音が出て来るとそこに必要なアーティストに参加してもらい進めていった。ゆっくり丁寧に幸せな時を過ごしながらこのビートルズの思い出の詰まっているスタジオで。

 「今回の制作は、色々な意味で挑戦だった。制作過程はどちらかというとポップス寄りだったので。バッハの演奏方法は知っていてもビートルズのは知らなかったから。ただビートルズを演奏することがこんなに楽しみをもたらしてくれるなんて想像していなかったよ。アレンジはギターマスターとしても素晴らしく、曲に色や雰囲気をつけるのに長けているセルジオ・アサドにお願いした。彼以外は思いつかなかったよ。すばらしい曲ばかりだけど、ソロだったら《ジェントリー・ウィープス》。アレンジが特に好き。弾いている時にハッピーになるのは《ブラックバード》。ストリングスが入っているものでは《フール・オン・ザ・ヒル》、コラボレーションでは《ルーシー・イン・ザ・スカイ》だね。エキゾチックな音が欲しくて、アヌーシュカ・シャンカールにシタールを弾いてもらった。トーリ・エイモスグレゴリー・ポーターのような素晴らしいヴォーカリストにも参加してもらったんだ。個性的で他と全く違うものになっているよ」

 日本盤は限定でDVD付きもあるので、ぜひ映像込みで楽しんで欲しい。

 「日本は観客、コンサートホール、食べ物全てが大好き、最高さ。常に行きたい場所だよ。僕の解釈したビートルズを日本の皆さんに届けるのがとても楽しみ」と、とにかくとってもお洒落な好青年だ。