昨年9月に配信されたジ・インターネットの2作目がフィジカル化。オッド・フューチャーの紅一点であるシドと、同じくオッド・フューチャーのプロデューサーを務めるマット・マーシャンズによるプロジェクトだが、透明感に溢れつつ、グルーミーなシドの歌声は今作でぐっと魅力を増した。前作と大きく異なるのはバンド的なサウンド・アプローチで、前作では二人の実験的なユニットという印象も濃かったが、今回はチャド・ヒューゴらのゲストも招きながら一つのバンドとしての完成度を高めている。結果、有機的なサウンドが非常に心地良く、彼らの音楽的可能性の深さを感じずにはいられない。乙女チックさと毒気が同居し、ロード・ムーヴィーを観ているかのようなシドの詩世界も美しい。