こんにちはfhánaの和賀です。バンドの近況といえば、ツアーも終えてひと段落かと思いきや、映画の主題歌のタイアップ(劇場版「SHIROBAKO」、2月29日公開!)も決まり、2020年もやるぞー!といった感じです。

CORY HENRY Art Of Love Cory Henry & The Funk Apostles(2018)

 最近のお気に入り曲たちですが、まずはコリー・ヘンリー&ザ・ファンク・アポストルズの“Trade It All”。スナーキー・パピーの元メンバー、コリー・ヘンリーが2018年に出したアルバム『Art Of Love』の1曲目なのですが、どんだけジャジーなものが来るかと思いきや、ゲキ渋でロマンティック、かつ洗練されたファンク・ミュージック。しかもポップ。コリーらしいズバ抜けたセンスの鍵盤ソロも健在。クドくならず、美しいメロディーラインで聴く人の心を釘付けにするような極上のソロです。あと、歌もとんでもなく上手くて凄い。〈NPR Music Tiny Desk Concert〉での演奏も素晴らしいので、そちらの動画もぜひ。

 

Stamp EKAMAI DREAM 1 トイズファクトリー(2019)

 次はタイのシンガー・ソングライター、Stampの日本デビュー・アルバム『EKAMAI DREAM 1』より“JETLAGGER”。たまたまTwitterを見ていて知った方なのですが、アルバムを通して曲のヴァリエーションが多岐に渡り、絶妙なポップ感覚とインディー・ロック的な攻めたアレンジがいい具合に混在していて、編曲センスの素晴らしさが感じられると共に、人懐っこくも色っぽい彼の歌声がそれらを統括して真っ直ぐ届けてくれる感じがまた良いのです。タイ語・英語・日本語と3か国語の楽曲が収録されていますが、どの言葉でもすんなり聴けてしまうのは歌声の良さがあるからではないでしょうか。タイの音楽、掘ったらめちゃくちゃ良い音楽がたくさんありそうだなって思いました。

 

NieR:Automata Original Soundtrack スクウェア・エニックス(2017)

 最後はアクションRPGゲーム「NieR:Automata」のエンディング・テーマ“Weight of the World”。個人的に知り得る限り、〈美しいメロディーのランキングTOP5〉に入ると思う一曲です。さまざまなアレンジで聴く機会があるのですが、どれもスッと染み渡るように耳に入ってきて、いいメロディーなんだな、とつくづく感じますね。こちらも英語・日本語・フランス語という3か国語のヴァージョンが主にあり、個人的にはフランス語の柔らかい響きが好きです。

 ゲームのサントラは、聴くことでその曲が流れていた瞬間やその時の思い出がフラッシュバックする、みたいなことが凄くあって、これってゲームのなかで自分が仮想体験している記憶を思い出して感動するんだなーと思ったんですが、実生活においても、何か節目になっている時や特別な感情を抱いている時に聴いていた音楽はずっと心に残っていて、自分が何歳になってもその曲を聴くとその時が思い出される……みたいなことがあると思うんです。で、そういう音楽って自主的に出逢うっていうよりは運と巡り合わせみたいなもんだろうなとは思うんですが、自分たちが作っている音楽も誰かのそういうものになっていたらいいなと思います。
では2020年もがんばっていきましょー! またね。

 


yuxuki waga
佐藤純一(FLEET)とs10rwのyuxuki waga、kevin mitsunaga(Leggysalad)という3人のサウンド・プロデューサーとのユニット、fhánaのギターを担当。最新シングル“僕を見つけて”(ランティス)が好評リリース中! 年明けも、新たな動きが続々と……!? スケジュールは〈http://fhana.jp/〉でご確認ください。