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コラム

三舩優子 × 堀越彰 × 神奈川フィルがデューク・エリントンの傑作をオーケストラで蘇らせる

県民名曲シリーズ第9回が12月に開催

三舩優子
©Akira Muto

デューク・エリントンの傑作がクラシックのオーケストラで蘇る

 企画名とは裏腹に、意外にも貴重かつ見逃せない曲目が並ぶことが多いため、毎度見逃せない神奈川フィルハーモニー管弦楽団による〈県民ホール名曲シリーズ〉。今回のテーマはジャズだ。

堀越彰

 定番のガーシュウィン“ラプソディー・イン・ブルー”は、日本で最も素晴らしくアメリカのクラシック音楽を聴かせてくれるピアニスト三舩優子が独奏を務め、そこに山下洋輔の薫陶を受けたドラマー堀越彰がピアノパートを拡張するようなパフォーマンスを加える。ジャズのピアノトリオが加わるバージョンともまた異なる、独自のデュオとして活動するふたりならではの演奏で新鮮極まりないガーシュウィンを聴かせてくれるに違いない。

 しかし何といっても今回の目玉は、クラシックの大編成オーケストラで演奏されるデューク・エリントンだ。“黒と茶とベージュ”はエリントン自身も1943年にカーネギーホールで演奏した意欲作。ジャズシンフォニーとも呼んで差し支えないような大曲なのだが、エリントンの生前から公式に管弦楽曲として編み直され、シカゴ交響楽団で初演されている。タイトルからも分かるようにアフリカからアメリカへ移ってきた黒人たちの歴史を題材にしており、白人文化との混交により肌の色が薄くなっていった様を、大きなスケールで描かれる叙事詩な音楽は聴き応え抜群! シンフォニックジャズの歴史を語る上でも重要な本作を聴き逃がすべきではない。

 メインプログラムとなるエリントン編の“くるみ割り人形”は、ビッグバンドのレパートリーとしてジャズの世界では度々演奏されているが、管弦楽版は指揮者ジェフ・ティジックによって5曲抜粋で編曲されたもの。エリントンへの敬意に満ちた見事なアレンジは野暮ったさが皆無なので、ディープなジャズファンにも安心して薦められる。今回はチャイコフスキーの原曲も加えた本公演オリジナルの組曲として披露されることによって、エリントン(と彼の片腕だったビリー・ストレイホーン)の創意工夫が、より際立つこととなるだろう。

原田慶太楼
©Claudia Hershner

 指揮を務めるのは、ジャズ作曲家の挾間美帆からの信頼も厚い原田慶太楼。もともと彼はサクソフォン出身で、アメリカで研鑽とキャリアを積んでおり、オーケストラからビッグバンドのようなソリッドなリズムを引き出す手腕はピカイチ。日本各地のオーケストラに客演して次々と信頼を得ている原田が、アメリカ音楽の最重要作曲家のひとり、エリントンをどう聴かせてくれるのか楽しみでならない。

 


LIVE INFORMATION
県民名曲シリーズ第9回

2020年12月20日(日)神奈川県民ホール
開演:15:00
出演:原田慶太楼(指揮)/神奈川フィルハーモニー管弦楽団
共演:OBSESSION(ピアノ:三舩優子 × ドラムス:堀越彰)

■主な演目
ガーシュウィン “パリのアメリカ人”
ガーシュウィン “ラプソディ・イン・ブルー”
デューク・エリントン “黒と茶とベージュ”
チャイコフスキー・エリントン編曲版 “バレエ組曲「くるみ割り人形」Op.71a”
デューク・エリントン(大橋晃一編曲)“A列車で行こう”

お問い合わせ・お申込み:https://kanagawa-geikyo.com/concert/concert-1926/

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