クラシック音楽の新作は古くは教会・貴族、楽譜出版社、現在は演奏団体が委嘱するケースが多い。この企画は4人の指揮者がオーケストラの新作を生み出す場を創るもので、新作公募、初演、楽譜出版、音源提供(つまりこのCD)を一体化したのが特徴。城代悠子作品は大河ドラマを観るような疾走感が魅力。山田竜雅作品は雅楽の響きを再現したフルートの音色と攻撃的な空気の対比やソプラノ(安江陽奈子は見事!)が降臨し管弦楽と一体化する感動的なもの。松井琉成作品はフィナーレ前の弦の旋律がとても素敵だ。萩森英明作品は弦楽のカラフルな音色の旋律や場面転換が「パリのアメリカ人」のようで楽しい。