パイドパイパーハウス長門芳郎監修、ピーター・ゴールウェイ関連3WがLPで復活!

 もしも自分が60年代のニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジのミュージシャンだったとするならば、ぜひこんなバンドをやってみたい。これが初めてフィフス・アヴェニュー・バンドを聴いた印象だ。親密な空気を感じさせるセッションで生み出された爽快なサウンド、都会的で洗練されたフォーク・ロックは、時代を超えて新鮮な感動がある。このバンドの中心人物はピーター・ゴールウェイ。山下達郎や細野晴臣など数多くのミュージシャンに影響を与えたと言われている彼の音楽を日本のマニアたちに広めたのが、東京の青山にあった伝説のレコードショップ〈パイドパイパーハウス〉だ。その名物店長であり、シュガー・ベイブのマネージャーだったことでも知られる長門芳郎氏の監修により、ゴールウェイ関連の3作品がリマスタリングされアナログ・レコードとして復活する。

THE FIFTH AVENUE BAND 『The Fifth Avenue Band(タワーレコード限定)』 ワーナー(2020)

 3作品のなかでどうしても外せないのが、やはりフィフス・アヴェニュー・バンド唯一のアルバム『The Fifth Avenue Band』(69年)だ。山下達郎の『CIRCUS TOWN』にも参加したケニー・アルトマンを含む6人構成のバンド・サウンドは、前述の通りとてもスタイリッシュなフォーク・ロックに仕上がっている。半数以上をハリウッドで録音していることもあって、西海岸らしい開放感も感じられるのが特徴だ。そしてどこを切り取っても素晴らしいメロディーと歌に溢れており、聴けば誰もが心を躍らされるはず。まさに不朽の名盤といえるだろう。

OHIO KNOX 『Ohio Knox(タワーレコード限定)』 ワーナー(2020)

 続くオハイオ・ノックス『Ohio Knox』(1971年)は、グループ名であるが実質的にはゴールウェイのソロ作品である。とはいえフィフス・アヴェニュー・バンドと比べると、少し骨太なバンド・サウンドになっており、ゴールウェイのメロディ・センスとのバランス感が絶妙。ポール・ハリスなどのセッション・メンバーに加えて、ジョン・セバスチャンやラス・カンケルの名前がクレジットされているのも注目したいところだ。

PETER GALLWAY 『Peter Gallway(タワーレコード限定)』 ワーナー(2020)

 そして本格的なソロ・デビュー作『Peter Gallway』(1972年)は、ケニー・アルトマンやポール・ハリスなど旧知のメンバーを集めて録音。シンプルなアレンジとリラックスした雰囲気はゴールウェイのメロディを際立たせており、あらためて彼が卓越したソングライティング能力を持っていたことを感じられる。

 これらの作品はやはり温かみのあるアナログの音色で再生すれば、さらにその良さが伝わるのは間違いない。レコード盤に針を落とし、あの頃のニューヨークへと想いを馳せる。そんな贅沢な時間をぜひ楽しんでいただきたい。

 


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