EASTOKLAB日置逸人の極私的金字塔

André Bratten『Gode』強く深く胸を打つ、冬に聴きたいエレクトロニカ大名盤

André Bratten『Gode』強く深く胸を打つ、冬に聴きたいエレクトロニカ大名盤

ラジオを付けると「今日は初雪です」と聞こえてきた。窓から外を覗くと雨とも雪とも言えないものが降っていて、思えば今日からグッと冷え込んだ気がする。ラジオからは山下達郎が流れてきて、それが冬の始まりを教えてくれる。

家から出ることもほとんどなく、音楽もあまり聴かなかった。それでも寒くなってくると決まって聴きたくなるアルバムがあって、昨日はそれをゆっくり聴いて、音楽はいいなぁと当たり前のことをしみじみ思った。元気です。

そんなわけで今回は冬に聴きたい大名盤をセレクト。〈極私的金字塔〉の名の通り、かなりのド渋チョイスAndré Bratten『Gode』について。

ANDRÉ BRATTEN 『Gode』 Smalltown Supersound/calentito(2015)

その昔、地元・尾張一宮に〈slow room〉というバーがあり(現在は岐阜に移転)、そこに小さなディストロがあった。知らない音楽ばかりだったけれど「僕の好きそうなのください!」と言うと毎度ドンピシャのセレクトをしてくれて、このアルバムもそうして出会った1枚だった。

それからというもの毎日のように聴き続け、僕らEASTOKLABのSEとしても結成時から使い続け、たま〜にやっているDJでも僕の主力トラックとして活躍中。僕にとって替えが効かない本当に大切なアルバム。偶然の出会いにマジ感謝。

かなりエクスペリメンタルな音像でありながら耳馴染みの良さもあって、無機的なパッドやビートのなかに有機的な人間らしさを感じるのがフェイバリット。それでいて美しく幻想的で、眠ることも踊ることもできるから不思議だ。

洗練された音と整頓された配置。気持ちよすぎるダイナミクス。ヘッドホンで聴くと脳にダイレクトで届いて快楽物質が出る。結構ヤバい。

アルバムタイトルの〈Gode〉というのはノルウェー語で〈20世紀初頭の農民〉を意味する言葉であり、André Brattenは農奴的な支配により芸術に触れることのなかった彼・彼女らへのオマージュを込めて『Gode』というアルバムを作り上げたという。音楽を音楽だけでなく、自国の歴史などと結びつけて制作することに強い信念を感じるし、それだからこそ強く深く胸を打つアルバムになっているのだろうと思う。

改めてじっくりと聴いて、大きく感情を動かされた。カッコいいとも素晴らしいとも言えるけれど、それ以上の無性に胸を掴まれる何かがあって、人生のなかで偶然このアルバムに出会えたことがただただ嬉しい。

実はコレを書くにあたり、一度書き終えた文書を消してしまった。悲しさのあまりひとしきり騒ぎ倒し、後悔に打ちひしがれ、PS4の電源をつけて現実逃避をし、YouTubeを見漁った。

しかし、何とか重い腰を上げて新たに一から書き始め、消えても大丈夫なように少し書くごとにスクショを撮るというリスクヘッジもしつつ、ずっと書きたかったこのアルバムについて書けた。嬉しい! 連載休みがちになりすみません!

そんなこんなで今年もアッと言う間に終わりそうだけれど、来年は1月にワンマンがある。我々EASTOKLABは今、仕上がりのピークを迎えているっぽい。新曲達が相当アツいので是非来てください。こんな時期だけど、楽しく生きれたらいいね。

 


RELEASE INFORMATION

Digital Mini Album『Fake Planets』
品番:UKDZ-0209
価格:1,681円(税込)

TRACKLIST
1. Contrail
2. Rainbow
3. Stud
4. Hug
5. Farewell
6. Living
7. Ten
8. Dive

 

EASTOKLAB『Fake Planets』はライブ会場、タワーレコード名古屋パルコ店ほか限定店舗およびオフィシャル・ウェブストアでCDが販売される。ケースは全7色。購入特典として未収録曲“Everything”のダウンロード・コードを封入。詳細はこちら

 

 

LIVE INFORMATION

ソーーーーシャルディスタンス忘年会2020
2020年12月30日(水)愛知・名古屋 stiffslack venue
開演:13:00
出演:EASTOKLAB/nim/sitaq/サクラショック!/Good Luck With Your Fun
料金:2,800円(ドリンク代別)
http://www.stiffslack.com/venue/202012.html?date=20201230

PEOPLE & ME 2021-ONE MAN-
EASTOKLAB (ONE MAN SHOW) - Digital Mini Album "Fake Planets" 再現 × 全新曲演奏ライブ -

2021年1月15日(金)愛知・名古屋 CLUB UPSET
開場/開演:18:30/19:30
出演:EASTOKLAB
料金:2,500円(ドリンク代別)
https://eastoklab.com/live/people-me-2021-eastoklab-one-man-show/

【プロフィール】
日置 逸人

日置 逸人 (ひおき はやと)

EASTOKLABのヴォーカル/シンセサイザー/ギターを担当。バンドの他に、WD SOUND WORKSでレコーディング・エンジニアとしても活動する。2019年6月5日、DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECTよりミニ・アルバム『EASTOKLAB』をリリース。2020年6月3日(水)、デジタル・ミニ・アルバム『Fake Planets』をリリース。

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