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1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

「福岡県出身です。初めてオーディションを受けたのは小学校6年生の時。

幼少期はインターナショナルスクールに通っていたので、保守的な日本型の教育にカルチャーショックを受けたり、疎外感を感じることも。結構辛かったです(笑)。そこで見つけた突破口が音楽。特にアメリカの女性アーティストたちが堂々と振舞っている姿に触発されました。

当初は歌うだけだったのが、自分で作詞作曲も始めるようになって、高校生の頃はアコギを持って弾き語りのライブに出たりしてました。そこからバンドスタイルとか、色々と変遷を経て今の音楽性に」

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

The PolicePrinceThe SmithsBlondieMadonnaNirvanaMissy ElliottLil KimAmy WinehouseLana Del ReyDrakeCharli XCX

親の影響で幼い頃から80年代ニューウェイブの楽曲を聴いて育ちました。

特にThe Police“Message In The Bottle”の〈人間は誰しも孤独であり、疎外感を抱いている〉というメッセージを、無人島での遭難に喩える歌詞のクレバーさは、何度聞いても痺れる。よく私の書く歌詞は〈暗いけど最後に希望があるね〉って言われるんですけど、この曲からの影響が根底にある気がします。

あとはLana Del Reyの気怠げな低音域のボーカルスタイルや、初期のThe WeekndTinasheJhené AikoといったオルタナティブR&Bアーティストのアンビエントな内省性にも影響を受けました。ニューウェイブの時代のアーティストも、パンク、レゲエ、エレクトロ、ラップ……色んなジャンルに果敢にチャレンジしていたし、新旧問わずクロスオーバー気味の音楽が好きなんだと思います」

Lana Del Rey “Born To Die”

The Weeknd “Wicked Games”

Tinashe feat. Travis Scott “Vulnerable”

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“Solo”

「ずっとUKガラージにはトライしてみたかったんですけど、昨年5月頃、前作『Mercury Retrograde』の制作が終わって、一息ついたタイミングで、元々友人だったビートメイカーのDroittteから連絡が来て。ビートをいろいろ聴かせてもらった中で、この曲が一番ピンと来て。

緊急事態宣言中に書いたので、その頃の社会全体の閉塞感や停滞感が反映されていると思います。サビの〈How low can you go?〉は、Nirvanaの”Smells Like Teen Spirit”の歌詞〈Hello, hello, hello, how low?(ハロー、気分は最低かい?)〉に掛けてます。BPMが早くてメロはキャッチーだけど、歌詞は内省的で暗い。そういう対比が好きですね」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

「むしろ交流は全然無くって、会ってみたい方になっちゃうんですけど、Black Boboiさん、NTsKiさんとか、……エッジーな音楽を展開してる女性アーティストの方々が凄く好きで。是非お会いできたら嬉しいんですけど……どうやったら会えますかね(笑)?」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

Rochelle Jordan 『Play With The Changes』

「ロンドンとトロントにルーツを持つオルタナティブR&Bアーティストで、2014年にリリースしていたデビューアルバム『1021』が素晴らしかったのですが、その後特に音沙汰がなく……。と思っていたらいつの間にかアルバムをリリースしていて、これがまた良くって! J-e-t-s(Machinedrum & Jimmy Edgar)をプロデューサーに迎えたUKガラージ、ダンスポップ、ハウスサウンドを、Jordanのセンシュアルなボーカルが飄々とクールに乗りこなしていく様が本当にクール。現時点で最高峰のエレクトロR&Bアクトだと思います」

6. ライブやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「最近はミュージシャンの友人も増えたので、ライブ面もアップデートさせていけたらいいなと思ってます。対面なのか、ネットを介してになるのか分からないですけど、ジャンル問わず、才能のある人をどんどん巻き込んで、面白いことをやっていきたいですね。

あとは、年内にもう1枚EPをリリースしたいので、そろそろ次の制作に入っていくつもりです。こんな時勢だからこそ歌うべきトピックもあるし、ハンデは全部アイデアに変えて、あの手この手で聴いてくれる人を楽しませたいです。完成するまで最新作『Uncured』を沢山聴き込んで下さいね!」

 


RELEASE INFORMATION

リリース日:2021年5月21日
配信リンク:https://linkco.re/d8BFQzqP?lang=ja

TRACKLIST
1. Drum Machine
2. Solo
3. Resistance
4. Ave Maria(feat. Hayashi Masato)
5. New Bugatti(feat. 18scott)
6. Afterparty
7. Aliens Are Nearby
8. Feel
9. Distance