
その逝去を受けてコンパイルされた追悼盤。基本の構成はベスト盤という体裁で、初作からの“Back & Forth”と名唱“At Your Best(You Are Love)”が選ばれたほか、サントラ『Dr. Dolittle』(98年)から超ティンバランド節の“Are You That Somebody?”も収まる。注目はアウトテイクから選んだ初出曲で、ヌーンタイム勢による“Come Over”もいいが、テディ・ビショップがジョンテイ・オースティンやジニュワインと共作したスロウ“Miss You”の美しさたるや!

前作の成果を受けて大半がセルフ・プロデュースに切り替わったセカンド・アルバム。繊細でソウルフルな歌唱の個性が確立され、表題曲やスパークルを迎えた“Make Me Wanna Sing”など翳りのあるメロディアスなミディアム~スロウはどれも逸品揃いだ。キャッシュ・マネー黄金期のマニー・フレッシュによる“Let Me Live”などバウンシーなクラブ・チューンもこの時代ならではの心地良さ。

TIMBALAND & MAGOO 『Under Construction Part II』 Blackground/Empire(2003)
ミッシーの前年作『Under Construction』の〈パート2〉的に位置付けられたサード・アルバムにして最終作。コンビでやる意味が希薄になる一方、すでにビート・クラブを設立していたティンバランドの目線はさらに外向きに広がり、ババ・スパークスやミス・ジェイド、アティテュードら身内の新顔はもちろん、ブランディやワイクリフ、ビーニ・マンら外部のコネクションも存分に活かしている。そのなかでもミッシーとの“Cop That Shit”がやはりスマッシュ・ヒット。

現在は独自の道を行くバーモント州出身のシンガーが、ヴィンセント・ハーバートに見い出されてデビュー時のアリーヤより若い13歳で放った初のアルバム。緩急の効いたソウルショック&カーリン作のデビュー・ヒット“Leave(Get Out)”こそティーン・ポップ寄りながら、アンダードッグズやマイク・シティらとの手合わせでは大人のR&Bを堂々たる歌いっぷりで披露する。SWVの瑞々しいカヴァー“Weak”や自作のスロウ“Keep On Keepin’ On”も聴きどころ。

90年代にラフェイス/アリスタで規格外のブレイクを果たした歌姫トニ・ブラクストン。00年頃からそのマネージメントを手掛けていたバリー・ハンカーソンがブラックグラウンドに引き込む形で登場したのが本作だ。ベイビーフェイスとの手合わせなど継続した縁もありつつ、ブライアン・マイケル・コックスやスコット・ストーチ、リッチ・ハリソンら当時の旬なメンツを起用した心機一転に相応しい意欲作になっている。“Finally”のコライトにタンクが参加。

当時は国ごとに違った体裁やタイトルで出ており、日本では『Special Edition ~Rare Tracks & Visuals~』というDVD付き作品で出ていたもの。今回のリイシューに伴って登場するのは、『I Care 4 U』とはまた異なる内容のベスト選と〈Are You Feelin’ Me?〉の副題が付いたレア・トラックスをセットにしたダブル・アルバム。後者にはサントラ収録曲や客演曲、リミックスがまとめられている。

ASHLEY PARKER ANGEL 『Soundtrack To Your Life 』 Blackground/Empire(2006)
ボーイズ・グループのO・タウンで活躍したシンガーの、全米5位まで上昇したソロ・デビュー作。ブラックグラウンド色は希薄ながら、先行ヒット“Let U Go”で組んだDrルーク&マックス・マーティンやマトリックスら当時のヒットメイカーたちがこの時代らしいエモ~パワー・ポップ志向を後押し。グループ時代から絡みのあったアレックス・カントラル × ソウルショック&カーリーンというジョジョのヒット“Leave(Get Out)”を仕掛けたチームも主役の変身を支える。

重鎮ビリー・スタインバーグ共作のドラマティックな代表曲“Too Little Too Late”を含む2作目は、そのシングルと揃って全米3位まで上昇する大ヒットを記録。スターゲイトらのセンスが流入してきたR&Bシーンの変化もあって、全体の聴き心地は前作以上にポップで情熱的だ。なお、この後レーベルと拗れて離脱したジョジョは2018年にこの時期のアルバム2枚を自身で録音し直してもいる。

全米2位まで上昇した通算3作目にして、ブラックグラウンドでの最後のアルバム。独自の作法を貫いたセルフ・プロデュースに加えて外部で関係を深めていたアンダードッグズの面々が大きく助力し、より普遍的なスタイルで主役のセクシーな魅力を引き出している。ティンバランドも“I Love Them Girls”のリミックスを制作。なお、本作からヒットした“Please Don’t Go”のリミックスにタイリースとジニュワインを迎えたのはTGT結成の契機になった。