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『An Evening With Silk Sonic』をより楽しむためのソウルフルな作品たちを紹介!

BRUNO MARS 『24K Magic』 Atlantic/ワーナー(2016)

“Uptown Funk”旋風の余波を総獲りした、問答無用の3作目。80年代ファンク~ディスコ~ブラコン~ニュー・ジャックなどを楽しげに繰り出し、当時の90年代回帰ムードにも乗り入れたタイムレスな快作だ。ホーマー・スタインワイスやベイビーフェイスらシルク・ソニック作品と重なる顔ぶれも多数。 *出嶌

 

ANDERSON .PAAK 『Ventura』 Aftermath/12 Tone(2019)

アフターマスでの初作『Oxnard』から半年で届いた、現時点での最新アルバム。スモーキー・ロビンソン御大を迎えたスウィートな名曲“Make It Better”や故ネイト・ドッグとの“What Can We Do”などメロウ&スムースな流れが異様に心地良い。フレッドレックやキーファーらLA人脈の援護も光る。 *出嶌

 

THE STYLISTICS 『The Stylistics』 Avco(1971)

“Leave The Door Open”やグラミー出演時の衣装から真っ先に思い浮かべたのが、このフィリー・ソウルの名門グループ。トム・ベルが制作し、ラリー・ゴールドも演奏していたこちらのデビュー作でのストリングス、グロッケンシュピール、シタールなどの音色は主要曲で応用されている。 *林

 

BOOTSY’S RUBBER BAND 『Stretchin’ Out In Bootsy’s Rubber Band』 Warner Bros.(1976)

黒幕ブーツィー・コリンズがPファンク軍団での活動と並行して放ったファースト・アルバム。定番ネタでもあるスロウ・ファンク“I’d Rather Be With You”はシルク・ソニックの2曲で換骨奪胎され、アルバムでサウンド・タグのような役目も果たしている。ファンクとスロウの塩梅も絶妙だ。 *林

 

JAMES BROWN 『The Payback』 Polydor/ユニバーサル(1973)

“Fly As Me”と“777”は直球のJBマナーだ。こちらのアルバムは、ベースはブーツィーではないものの、ヒップホップの定番ネタという点も踏まえて参考にしたと思われる表題曲のほか、“Stone To The Bone”や“Shoot Your Shot”は、JBのカウントも含めてパークが雰囲気を真似ている。 *林

 

ENCHANTMENT 『Enchantment』 Roadshow/OCTAVE(1976)

スウィート・ソウルでありながらファンク的なボトムも併せ持つデトロイトのヴォーカル・グループ。ドリーミーなスロウの名曲が揃ったこのファースト・アルバムは、“Sunshine”でのドラムの打ち方、後半にかけての盛り上がり、〈フッフッ~〉というコーラスなど類似点の多さに驚く。 *林

 

MARVIN GAYE 『Let’s Get It On』 Motown(1973)

ストレートに求愛する表題曲からしてシルク・ソニックの歌世界に近い。“Please Stay (Once You Go Away)”のサウンドやヴォーカルにも似た雰囲気があり、熱っぽく掠れた歌声やドラムの手数の多さはパーク、時折交える裏声はブルーノを彷彿とさせる。 *林

 

EARTH,WIND & FIRE 『Spirit』 Columbia(1976)

モーリス・ホワイトとフィリップ・ベイリーのツイン・リードはブルーノとパークのようだ。歌も演奏も繊細でダイナミックなバンドとの共通点も多く、本作収録のローラースケート・ジャム“On Your Face”は“Skate”、美麗で雄大なスロウ“Earth, Wind & Fire”は“Blast Off”に通じている。 *林

 

WAR 『Greatest Hits 2.0』 Rhino(2021)

パーカッションが際立つファンクを軸に、美しいハーモニーの絡むスウィートな曲も歌った西海岸の人種混成バンド。その音楽性やコレクティヴ感はシルク・ソニック一派に通じるもので、“Skate”の情熱的なグルーヴや“After Last Night”のメロウネスの源泉はこの50周年記念ベストでも確認できる。 *林

 

THE O’JAYS 『The Last Word』 O’Jays Gigs/S-Curve(2019)

ブーツィーと同じオハイオ出身で、70年代フィリー・ソウルのムーヴメントを象徴するグループのひとつとなったレジェンド。その引退作となったこちらのアルバムには、ブルーノがフィリップ・ローレンスらとの共作で“Enjoy Yourself”を提供している。御大の華麗な力強さを引き出す晴れやかな佳曲だ。 *出嶌

 

VARIOUS ARTISTS 『Trolls World Tour』 RCA(2020)

近年も外部ワークスの数多いアンダーソン・パーク。このサントラではジャスティン・ティンバーレイクとのオールドタイミーな“Don’t Slack”で軽妙に飛ばし、“It’s All Love”ではメアリーJ・ブライジとジョージ・クリントン御大と手合わせ。“Atomic Dog”を混ぜた後者のリミックスもファンクで最高だ。 *出嶌