ポップ・アナリーゼという言葉を最初に目にしたのは菊地成孔と片山杜秀の対談だった。菊地は音楽リテラシーの向上と啓蒙が音楽エンターテイメントに活況をもたらし、ある種スポーツの実況、解説とその批判的視聴のようなことが音楽においても起こるべきで、そのためには楽曲分析という行為自体の普及と標準化が前提だという。この本の著者、坪口昌恭氏はその菊地とも音楽の現場でコラボし続けてきたキーボーディスト、作曲家であり、危険を顧みず固有の視点でジャズを中心に活動を続けるアーティスト。そんな彼がどのような視点で今の音楽をキャッチしているのか。本書では様々なエレメントにまで音楽を裸にする。ポップエンタメ!