ベテランから話題のニューカマーまで、絶対観たい注目アクト
小田「今年はヘッドライナー以外にも個性豊かな面々がラインナップされています。国外アーティストで絶対観たいのはベス・ギボンズ! 6月にリリースされた初のソロアルバム『Lives Outgrown』は幻想的なコーラスワークやトライバルな音使いに加えて、ベスの円熟味が溢れるハスキーなボーカルを存分に堪能できる傑作でした。これまでポーティスヘッドとしても日本でライブを行っていないので、ベスのパフォーマンスを肉眼で観られる機会がついに!という人も多いはず。ちなみに今年はポーティスヘッドのデビューアルバムにして名作『Dummy』の発売からちょうど30年。直近のベスのライブでは“Roads”をプレイしているようなので、ぜひ生で聴きたいですね!」
天野「ベスは、まさに待望の来日ですよね。海外アクトで私が最も推しているのは、なんといってもフリコ! 2月にリリースしたデビューアルバム『Where we’ve been, where we go from here』で突如人気に火がついた米シカゴの2人組です。日本人ウケするセンチメンタルなメロディとエモさが素晴らしくて、ひたすら良い曲が書ける、ということに尽きる彼ら。まずはアルバムの冒頭3曲を聴いてほしいです。トリオでのパワフルなアンサンブルも素晴らしいし、インディロック然としていながらも多様な音楽を吸収してきたことが窺えます。レディオヘッド“Weird Fishes / Arpeggi”のカバーやタワーレコード渋谷店でのサイン会も話題なので、とにもかくにも要チェックです」
小田「フリコは自分も観たいですね! あと、個人的にベスに続いて観たいのがキム・ゴードンで、今年リリースした新作『The Collective』を聴いてもソロアーティストとして確実に進化していて、これは見逃せないなと。ソニック・ユースから数えると40年以上のキャリアを誇るにもかかわらず、その衰え知らずなクリエイティビティには頭が下がります。『The Collective』にも収録された“BYE BYE”はTikTokを中心にバイラルヒットしているだけに、ぜひ若いリスナーにもライブを観てほしいなと思ってます」
天野「キムの曲がTikTokでヒットする、というのも不思議な世界に突入した感がある2024年です(笑)。
私が2番目に推したいのは、フォンテインズ・D.C.。2023年2月の来日公演がもう最高だったんですよ! とにかくライブを観てほしいバンドです。プロフィール的なことを説明すると、アイルランド出身の5人組で、カリスマ性があるフロントのグリアン・チャッテンの歌と歌詞が素晴らしいんですよね。1stアルバム『Dogrel』の頃から大好き。もちろん、一作ごとに変化していっているポストパンクサウンドと5人の一体感に満ちたライブバンドとしての化けっぷりも良くて、特に8月にリリースされる予定の『Romance』は先行シングルを聴く限りではめちゃくちゃ期待できます。新作モードの彼らですが、レイヴっぽい派手なスタイリングの最近のビジュアルも超グッド」
小田「自分もバンドで挙げるなら、ザ・ラスト・ディナー・パーティーはマストでチェックしておきたいですね。今年2月に出たデビューアルバム『Prelude To Ecstasy』はUKチャートで1位を獲得、コーチェラやグラストンベリーなどでのパフォーマンスもYouTubeで観ましたが、ライブバンドとしての腕も確かです。結成から約3年ほどしか経っていない彼女達ですが、デヴィッド・ボウイやクイーンなどUKロックの先人達からの影響を感じさせる出で立ちにも惹かれますし、ロックオペラからギターポップまで楽曲の振り幅も広い。フリコ同様に日本でも十分注目されているとは思いますが、今回のフジロックでの来日でさらにブレイクしてほしい!」
天野「TLDPもステージこそが本領発揮の場だから、絶対に観たいですよね~。もう1組推薦すると、単独公演の開催も決まっているオマー・アポロ。現在27歳のシンガーソングライターで、インディR&B的なメロウでリラクシンな歌とサウンドが魅力です。ラテンルーツなのも、個人的にツボ。6月に発表されたばかりの2ndアルバム『God Said No』は、フランク・オーシャンへのモロなオマージュを感じるオルタナティブR&B路線ですが、それに留まらないダンサブルなムードや新鮮味があったし、すごく良かった。生で歌声を聴いて、とろけるような親密さや心地よさに耽溺したいアーティストですね」