Page 3 / 4 1ページ目から読む

人との関わりで心が動いた時に書き留める歌詞

――これほどバラエティに富んだ曲を、川嶋さんはどんな時に書いているんですか?

「実は私、すべて詞先なんです。〈メロディを先に〉とオーダーを受けた時は曲先でも書きますが、似たり寄ったりになっちゃうのが嫌で。さっき沖井さんの作品について言った光や風や色彩を歌詞に見出したいので、自分の曲はほとんど詞先です。私は心が動かないと詞が出てこないタイプなので、とにかく人と関わりまくって、その時に詞を書き留めています。

作曲は、ストックした歌詞の中から選んだものに合うジャンルの要素やメロディ、リズムをハメていくパズル作業ですね。詞を届けるために声色も選んでコーディネートしていきます。それゆえに、CHiLi GiRLの音楽はバラエティが溢れに溢れている感じです(笑)」

――メッセージ性みたいなものは優先しないのでしょうか?

「〈これを伝えたいから聴いてください〉と聴き手に感情を無理強いするのは得意じゃなくて。元気な曲でもバラードでも、歌を聴いて、それが心に刺さって、ふと涙がこぼれるぐらいがちょうどいいと考えています。〈なんか最近こういうことあってさ~〉というテンションで、おしゃべりする感じで詞を書いているんです。

性格やキャラ的に説教臭いのが苦手で(笑)。弟子に指導する時も〈最近、どう?〉という会話から始めるので、相手の話を診察して読み解いていくカウンセラーに近い感じなんです」

 

CHiLi GiRLの音楽は心が通じ合って完成する

――クレジットに並んだ名前を見ると、参加ミュージシャンは川嶋さんのお仲間が多そうですね。

「参加してくれた15名のミュージシャンは本当に仲良しな人ばかりで、喜怒哀楽をちゃんと見せられる方々です。曲のフレーズや音色に限っても、〈この曲に合うように考えて作ってくれたんだ〉というのがちゃんと見えてこないと納得できなくて(笑)。CHiLi GiRLの音楽は心と心で通じ合ってこそ完成すると思っています。何度かしっかりお話ししたり、お酒を酌み交わしたりしないと、私は仕事を頼めないですね」

――そうやって信頼する仲間と作った曲に、川嶋さんのシグネチャーである三味線を乗せるわけですね。

「三味線を弾いていない曲もありますが、大体どの曲でも弾いています。〈三味線奏者・川嶋志乃舞さんのプロジェクトです〉と紹介された時、流れたリード曲に三味線が入っていなかったら変な感じになっちゃうので(笑)。邪魔にならない程度に入れることもあれば、エッジが効いた個性的な音色をシンセに近い入れ方で使うこともあります。ソロをガッツリ弾く曲は“strawberry chocolate night”や“Summer Sniper”ぐらいですが、過去の作品集に比べれば曲数は少ないと思います。

最近は三味線を持たなくても歌えるようになってきましたが、三味線を持てばいっちょ前にソロも弾くし、グルーヴもするので、隠し刀みたいな感じでいいと思っているんです」

――アルバムタイトルの『CARAI』などにも、川嶋さんが純邦楽で育ってきたこと、純邦楽にインスパイアされ学んできたことが表れていますね。

「〈CARAI〉は〈花蕾〉のことです。来年か再来年に出す予定のアルバムのタイトルは〈KAICA(開花)〉にすると決めているので、『MEBAE』『CARAI』とのお花3部作になるんです。

今作は色とりどりの花の蕾の束というイメージのアルバムですが、次作でちゃんと花を咲かせることを裏コンセプトにアレンジや作曲、メンバー選びの軸にしています」