オジーのソロ名義のアルバムは、直近の2作『Patient Number 9』(2022年)、『Ordinary Man』(2020年)が、どちらも大傑作でした。
過去の連載で取り上げています。
オジーのソロアルバムって、ジャケットは黒っぽかったりホラーっぽかったりするけど、聴いたらめっちゃ明るいんですよね。
何せ、演奏が明るい。ブラック・サバスとは別方向のタイトでクリアな演奏、それ自体の明るさがあります。
そしてギターが明るい。ギタリストの選び方が最高で、ギターソロが入ってくる時にもうカッと照明スポットが当たるような、強力なきらびやかさがあります。
ソロだけでなく、歌に絡むギターがとても良くて、これも耳を奪われる。オジーがギタリストを大事にしているのも感じますし、自分のバンドだから自分だけ目立って良いパフォーマンスをするというより、バンドに良い演奏をさせたがっているような、そんな空気を感じます。
1980年の『Blizzard Of Ozz』は、いまさら私が語ることもない、ヘヴィメタル史における名盤。メタルのスタンダード曲となった“Crazy Train”、“Mr. Crowley”が収録されており、あまりサバスもオジーの音楽も聴いたことないジャズファンは、ぜひここからどうぞと思います。

“Mr. Crowley”のランディ・ローズのギターソロは、もう目が覚める素晴らしいものです。
“Revelation (Mother Earth)”からの“Steal Away (The Night)”の流れも最高。そして、ベースがこんなに活き活きしているメタルアルバムもないんじゃないですか?
今度のバーミンガムの引退コンサートで“Goodbye To Romance”なんかが演奏されたら、涙で前が見えなくなるでしょうね。
オジーのソロ名義の作品だと、私は1991年の『No More Tears』が一番好きです。

全曲印象に残る良いメロディばかりで、とてもキャッチーでポップなアルバム。ザック・ワイルドのギターもとても良いんです。素晴らしい。全体を通して聴くアルバムのバランスも良い。それに、このアルバムは90年代の香りに満ち溢れていて、とても味わい深く、少しノスタルジックにも感じます。
好きな曲を挙げるのも難しいのですが、“Mama, I’m Coming Home”は超名曲。
“A.V.H.”のギターが好きです。あと“Hellraiser”かな。ごめんなさい、やっぱり選べない、全曲おすすめ(笑)。
やはりこのアルバムは、トータルで聴く感じなんですよ。
そういえば、私事ですが2021年に『Calling』という作品をリリースしていて、「ほら、あのオジーのアルバムみたいなやつ」と言われたことがあり、ええ? どこが? そんなのあったっけ?と思っていたら、このジャケットのことでした(笑)。
