豪華なゲストたちが支える〈Legendary Edition〉の内容を解説!
1. Red, White And Jersey
今回の〈Legendary Edition〉のための新曲で、リード曲としてMVも公開されているアンセミックな青春ソング。高校時代から交際していたジョン自身と妻をモチーフに、NYへ飛び出した日々を振り返りつつ地元ニュージャージーへの愛を歌う。共作者のアシュリー・ゴーリーはモーガン・ウォーレンらと仕事しているカントリー系のソングライターで、ボン・ジョヴィとは“Roller Coaster”(2016年)を共作していた。
2. Legendary [with JAMES BAY]
ここからは元の『Forever』と同じ曲順でゲストとのコラボ曲が続いていく。こちらのオリジナルは昂揚感のある構成に大人の落ち着きも交えて新たな王道のボン・ジョヴィ節を創造したアルバムからの先行ヒットで、コラボ相手はアメリカーナ志向の強い英国のシンガー・ソングライター、ジェイムズ・ベイ。ブルージーな度合いを深めた直近の2024年作『Changes All The Time』(Mercury)を聴けば現在のボン・ジョヴィとの相性の良さは明白だろう。
3. We Made It Look Easy [with ROBBIE WILLIAMS]
ライアン・テダーがシンセやプログラミングを担当し、軽やかなテンポ感とスケールの大きい展開がボン・ジョヴィにとっては新鮮な一曲。ここに客演したロビー・ウィリアムスは元テイク・ザットという説明も不要なUKを代表するポップスターで、今年は伝記映画のサントラ『Better Man』(Columbia)も全英1位に輝いている。
4. Living Proof [with JELLY ROLL]
トークボックスをあしらったイントロやハードな起伏そのままに“Livin’ On A Prayer”や“It’s My Life”の流れにある強力なセカンド・シングル。ゲストのジェリー・ロールは、ラッパーから転身したテネシーのカントリー歌手で、昨年の全米No. 1アルバム『Beautifully Broken』(Republic)以降は越境した活動が目立っており、〈ミュージケアーズ〉の式典でも見せたように情熱的なボン・ジョヴィ節との相性はここでも抜群だ。
5. Waves [with JASON ISBELL]
寄せては返す波を眺めながら去っていった者に思いを馳せたような歌詞と、徐々に昂る熱気が実にブルージーなナンバー。もともと共作者に名を連ねて演奏にも参加していたギタリスト/シンガーのジェイソン・イスベル(元ドライヴ・バイ・トラッカーズ)がそのままゲスト扱いになり、一歩前に出て力強いリード・ヴォーカルも披露している。ジェイソンは今年ソロ・アルバム『Foxes In The Snow』(Southeastern)をリリースしている。
6. Seeds [with RYAN TEDDER]
力強く立ったスクエアなビートとデヴィッド・キャンベルのアレンジによる劇的なストリングスが終盤にかけて高まり合っていくドラマティックな一曲。“We Made It Look Easy”に続いて共作者はライアン・テダーで、こちらでは彼がそのままゲストとしてもマイクを握る。裏方としても活躍する一方、自身の率いるワンリパブリックは先日ベスト盤『The Collection』(UMe)をリリースしたばかりで、2026年2月には来日公演も決定した。
7. Kiss The Bride [with BILLY FALCON]
かつて愛娘が産まれた際に“I Got The Girl”(2000年)を書いたジョンが、時を経て結婚する愛娘に贈った、父親としての眼差しが感じられる穏やかな一曲。今回ここにゲスト出演したのは共作者でもあるビリー・ファルコンだ。70年代後半にロック・シンガーとしてデビューした彼は、スティーヴィー・ニックス“Sometimes It’s A Bitch”(91年)を初めてジョンと共作し、『Crush』(2000年)以降のボン・ジョヴィの全アルバムにソングライターとして参加している。
8. The People’s House [with THE WAR AND TREATY]
国会議事堂襲撃事件(2021年)を念頭にジョンが一人で書いた、エヴェレット・ブラッドリーのパーカッションも小気味良いグルーヴィーなアップ・チューン。ここで力強い歌唱を見せるウォー&トリーティは、〈ミュージケアーズ〉の式典でもパフォーマンスしていたミシガン州アルビオンの夫婦デュオ。カントリーやソウル、ブルースを折衷した音楽性が持ち味で、今年リリースの最新作『Plus One』(Mercury Nashville)ではジョン・シャンクスがプロデューサーを務めていた。
9. Walls Of Jericho [with JOE ELLIOTT]
ポジティヴなフックの合唱から始まるシンガロング必至のナンバー。ここで声を重ねるのはデフ・レパードのフロントマンを50年近く務めるジョー・エリオットだ。故郷のスタジアムへの凱旋の模様を収めた最新ライヴ盤『Diamond Star Heroes: Live From Sheffield』(Eagle Rock/ユニバーサル)も控えるデフ・レパードはこの10月に〈ハリウッドの殿堂〉入りし、式典では同時代に活躍した仲間としてジョンがスピーチに駆けつけたばかり。
10. I Wrote You A Song [with LAINEY WILSON]
素朴なラヴソングのようであり、ジョン自身の状況を思えば切なくも響くナンバー。そこに寄り添うハーモニーも見事なデュエット相手はルイジアナ州バスキン出身のカントリー歌手、レイニー・ウィルソンだ。ここ数年でクロスオーヴァーな支持を広げ、近年はポスト・マローンやブラック・クロウズの作品にも参加している。全米8位を記録した2024年作のデラックス盤『Whirlwind (Deluxe)』(Broken Bow/BMG)もリリースされたばかりだ。
11. Living In Paradise [with AVRIL LAVIGNE]
エド・シーランとジョンの共作で、どこか80年代っぽい華やかさを湛えた爽快なロック・ナンバー。シャンクスがアコギを弾かずエレキだけを用いた唯一の曲でもある。デュエット相手はボン・ジョヴィのデビュー年に生まれたアヴリル・ラヴィーンで、フィルXが『Under My Skin』(2004年)でギターを弾いた縁もあった。最近はシンプル・プランやイエローカードらとのコラボが続く彼女だが、ベスト盤『Greatest Hits』(Legacy)以降の展開も待たれる。
12. My First Guitar [with MARCUS KING]
最初に手に入れたギターへの思い入れを通じて、キッスのようなロックスターに憧れていた頃の思い出をジョンが綴ったノスタルジックなナンバー。ゲストのマーカス・キングは〈ミュージケアーズ〉式典でもパフォーマンスしていたサウスカロライナのギタリスト/ヴォーカリストで、カントリー・アルバムとなったマーカス・キング・バンド名義の新作『Darling Blue』(American/Republic)をリリースしたばかり。
13. Hollow Man [with BRUCE SPRINGSTEEN]
本作のハイライトと言ってもいい、ニュージャージーのアイコン同士による風格に溢れたコラボが実現。憧れの兄貴分としてブルース・スプリングスティーンとは昨年の〈ミュージケアーズ〉の式典などステージを共にしたことはあったが、公式のスタジオ録音での手合わせはこれが初めてだ。なお、スティーヴ・ヴァン・ザントのバンドで活動していたエヴェレットは、ボスの2013年作『High Hopes』(Columbia)にも参加していた。
14. Hicimos Que Pareciera Fácil [with CARIN LEON]
“We Made It Look Easy”のスペイン語ヴァージョンで、メキシコのシンガー・ソングライターであるカーリン・レオンをフィーチャー。エクストリームをカヴァーしたこともある彼は2024年リリースの『Boca Chueca, Vol. 1』(Socios)でラテン・グラミーとグラミーの〈最優秀メキシカーナ・アルバム〉部門を受賞している期待株だ。なお、ボン・ジョヴィは90年代に“Bed Of Roses”や“This Ain’t A Love Song”のスペイン語ヴァージョンを発表してきたことがある。
15. Fight Somebody
海外の公式ストアなどで限定入手できる2LP用の新曲で、一般流通では2CDのデラックス日本盤でのみ入手できるボートラ。本稿の執筆時点でクレジットがないため詳細は不明ながら、翳りのある疾走感と厚みのあるコーラスの威勢の良さに血が騒ぎ、キャッチーなギター・リフも前に出る勢いを加速させるパワフルなロック・チューンに仕上がっている!