DISCOGRAPHIC MADONNA
マドンナを知るための16枚
エムトゥーメイのレジー・ルーカスを主軸に、人気DJ(にして交際相手)のマーク・カミンズとジェリービーンも交えたNY人脈で作られた初作。クラブ志向なシンセ・ポップ中心のシンプルな内容で、初期の代表曲“Holiday”や自作の“Lucky Star”がヒットした。
ナイル・ロジャースの全面制作で全米No. 1を記録したブレイク作。ケリー&スタインバーグ作の表題曲やモンロー気分な“Material Girl”といったヒットがセクシーを売り物にしたセンセーショナルなイメージを定着させる一方、“Angel”など半数以上が自作詞に。
当時の夫ショーン・ペンに捧げられ、ハイプではないアーティスト性を認知させる契機となった3作目。パトリック・レナードと旧友スティーヴン・ブレイの制作で、“Open Your Heart”など3曲の全米1位を生んだほか、哀愁ラテン“La Isla Bonita”を収録。
ジェイムズ・フォーリー監督による3本目の主演映画「フーズ・ザット・ガール」のサントラ。映画は酷評を浴びるもレナードによるラテン・ポップ調の表題曲は全米1位、ショーン・ペンとの関係を下地にした“Causing A Commotion”も全米2位を獲得している。
本人いわく〈女性的視点を持ったアルバム〉で、MVが物議を醸したゴスペル様式のタイトル曲を筆頭に、過激さの矛先を権威へと向けた最高傑作のひとつ。“Express Yourself”“Cherish”などキャッチーなヒットを量産し、プリンス製の“Love Song”も収録。
出演映画「ディック・トレイシー」のサントラで、レナードやビル・ボトレルの仕立てたジャズ〜スウィングなどのオールドタイミーな意匠を纏ってショウガール的な世界観を表現している。シェップ・ペティボーン作の洗練されたハウス“Vogue”が世界中でNo. 1を獲得。
ペティボーンとの共同作業によってハウスやアンビエント主体のディープな音作りに挑んだ意欲作。写真集「SEX」や映画「BODY/ボディ」と連動したエロティック路線で良識派を挑発しつつ、根本にあるのは〈性の抑圧〉に対するメッセージだ。人気の“Rain”を収録。
USシーンの主流となったR&Bを大きな柱にダラス・オースティンやデイヴ・ホールらを起用、肉体ではなく内面を晒す方向にシフトした濃密なアルバム。ベイビーフェイス作の“Take A Bow”が全米1位を記録し、UKではビョークと共作した表題曲がヒット。
主演映画「エビータ」の成功や初の出産を経て、ウィリアム・オービットを相棒に欧州寄りのエレクトロニックな作りに振り切った人気作。アトモスフェリックな“Frozen”やビッグ・ビート風味のトランシーな表題曲など、スピリチュアルな側面も強めている。
パリの新鋭ミルウェイズを抜擢して貪欲に先進的なスタイルを求めたミレニアム期らしい8作目。全米No. 1に輝いたフレンチ・タッチ調の“Music”からフォーク/カントリー要素を絡めた“Don’t Tell Me”までが意欲的に展開される。世界23か国で首位を獲得した復権作。
ゲバラ風のジャケが示すように、イラク戦争などの社会情勢に意見を発しつつ、より自身の内面にも踏み込んだ問題作。前年の007ヒット“Die Another Day”の流れでミルウェイズを全面起用しつつ、アコースティックな音使いが目立ってきているのも印象的だ。
アバの公式サンプリングを許された“Hung Up”の勢いに乗り、世界のチャートで完全に復権した快作。前作で少し絡んだスチュアート・プライスをメインの参謀に起用し、同時代のカイリーらも意識しながらイナタいフィルター・ディスコ〜エレポップで踊り明かす。
当初は〈Black Madonna〉を標榜していたとされるアーバン寄りの野心作。ネプチューンズとティンバランド組が制作を分け合い、『Shock Value』的なノリにジャスティン・ティンバーレイクを迎えた“4 Minutes”がヒットしたほか、カニエ・ウェストの客演も。
ベナッシ兄弟やマーティン・ソルヴェグと手合わせし、EDM時代の空気を取り込んだインタースコープ移籍作。M.I.A.とニッキー・ミナージュを迎えたニューウェイヴ調の“Give Me All Your Luvin'”やユーロダンスの“Girl Gone Wild”がすこぶるキャッチー。
ディプロやアヴィーチー、カニエ&マイク・ディーン、DJダヒ、トビー・ガッドら過去最多のクリエイター陣がコライトで入り乱れた一枚。ブリーピーな“Bitch I’m Madonna”など、トラップやダンスホールのブーティーなノリを導入した点は新作にも繋がる。
息子のサッカー留学に伴うリスボン生活から吸収したファドやレゲトン、バトゥーカ、レゲエ、サンバまで多文化の音楽を自身の歌世界と折衷した14作目。マルーマやクエイヴォ、スウェイ・リー、アニッタらツボを押さえた客演との絡みも流石で、雑食なセンスの良さが光る。
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