ミルトン・ナシメント、トニーニョ・オルタといった独特の音楽性を持った世界的なミュージシャンを生み、いま再びアントニオ・ロウレイロら新世代の音楽家によるムーヴメントで注目を集めるブラジルの地、ミナス・ジェイラス州。そんなミナスの新世代を代表するアーティストで、シンガー・ソングライターやフルート奏者として活躍するアレシャンドリ・アンドレスが、5月1日発売のニュー・アルバム『Olhe Bem As Montanhas』より収録曲の一部を公開した。
自身が歌う“Silva”は、繊細なギターのイントロに歌声が重なる導入部、リリカルなピアノがムードを盛り上げる前半部、唄が止みアルコ弾きのベースが加わって厳かな雰囲気を醸し出す中盤、優しく柔らかいコーラス・ワークを聴かせる後半……と、次々と色彩が変化しながらも常にナチュラルな響きを持った楽曲。
“Alnilam”と“Olhe Bem As Montanhas”の2曲は、全10曲が収録されたアルバムのうち4曲を占めるインスト曲からのもの。軽やかながら気品溢れるサウンドが印象的で、作曲家/フルート奏者としてのアレシャンドリの実力を改めて感じさせられる内容となっている。
アルバムには、ヴォーカル、ギター、フルートを務めるアレシャンドリ本人のほか、ハファエル・マルチニ(ピアノ、ヴォーカル)、ペドロ・サンタナ(ベース、ヴォーカル)、アドリアーノ・ゴヤタ(ドラムス、グロッケン)が参加。過去作で高く評価された、ジャズ、クラシック、ブラジル音楽などが一体となり高度に洗練されたチェンバー・ポップ調の作風はそのままに、気心の知れた少人数編成ならではの綿密なアンサンブルが展開されている。作品の到着を楽しみに待ちたい。