インタビュー

幸田浩子が世界の愛唱歌通して亡き母を思慕する、パーソナルな心情綴ったような慈しみ溢れる歌集

幸田浩子が世界の愛唱歌通して亡き母を思慕する、パーソナルな心情綴ったような慈しみ溢れる歌集

母の愛のような、慈しみ溢れる「宝玉」歌集

 通算7枚目となる新作は、世界の愛唱歌を通して、自身のパーソナルな心情を綴ったかのようなアルバムだ。やさしく語りかけるチャップリンが泣き出しそうな心をそっと温めてくれる…そんなイメージの冒頭タイトル曲《スマイル》に象徴される「涙と微笑みの間にある」曲たちを収録。また副題にある通り、亡くなった母上への思慕も今回の大きなテーマである。

幸田浩子 スマイル-母を想う- Columbia(2015)

※試聴はこちら

 「《サウンド・オブ・ミュージック》は特に母のお気に入り。映画も何度も観て細部まで知り尽くしていて、一緒にザルツブルグを訪れた時は目を輝かせていた。讃美歌の《主よ、みもとに近づかん》も大好きで、告別式では参列者の皆さんにこの歌で母を送っていただきました。あの時の教会の響きが今も忘れられません」

 3大子守歌では、シューベルトがピアノ、モーツァルトがギター、ブラームスが弦楽四重奏+オルガンと、それぞれの伴奏楽器で趣を変えているのも聴き所。

 「作曲家の加藤昌則さんがアレンジのアイディアを出してくださり、一緒にサウンドを作り上げるのが楽しかった。共演の皆さんの笑顔も詰まっています」

 ドイツ歌曲ではR.シュトラウスの《明日!》、フランス歌曲ではアーンの《クロリスに》も光る。

 「どちらもピアノの旋律が美しいラヴ・ソング。天上の光に包まれるような安らぎと、背中をなでてくれるような心地良さとを感じていただけたら嬉しいです」

 20世紀スペインの作曲家モンポウの《魂の歌》との出会いは、2012年の没後25年コンサートまで遡る。

 「泉から沸き出すような力強い祈りのエネルギーを感じる、こんな素晴らしい曲に出会えた運命に感謝したい気持ち。演奏会の指揮を担当したロス=マルバさんがモンポウをよくご存じの方で、まるで本人に直に教わっているみたいだったのが印象に残っています」

 《K・セレナータ》は4年間レギューラーを務めたNHK-FMの『気ままにクラシック』から生まれた曲。

 「共演者の笑福亭笑瓶さんと一緒に、番組の中のコーナーで試行錯誤しながら作りました。歌詞もNHKイタリア語講座の先生に監修して貰った本格派です」

 ラストを飾る人気曲《ユー・レイズ・ミー・アップ》のポジティヴなメッセージを伝えるアレンジも圧巻だが、続くボーナストラックのテレビ版『永遠の0』の挿入曲(ヴォカリーズ)も感動的な余韻を残す。

 「戦場に愛する男たちを送り出す女性たちの想いを乗せた曲で、悲しい別れの場面なのに大いなる愛情で全てを包み込むような懐の深さに、胸を打たれました」

 5月8日には紀尾井ホールで記念リサイタルを予定。

 「あらためて収録曲の全てが愛おしいと思える。皆さんの人生のひと時に組み入れていただけますように」

【参考動画】幸田浩子の2009年作『カリヨン 幸田浩子~愛と祈りを歌う』収録曲“カリヨン(ドンギア)”

 

LIVE INFORMATION

billboard classics
幸田浩子ソプラノリサイタル with premium quintet
スマイル-母を想う ~celebrating Hiroko’s new album~

○5/8(金)18:30開場/19:00開演 会場:紀尾井ホール
出演:幸田浩子(S)西江辰郎(vn)福田理貴(vn)御法川雄矢(va)川上徹(vc)藤満健(p)
曲目:スマイル〔チャールズ・チャップリン〕星に願いを〔リー・ハーライン〕わが母の教えたまいし歌〔ドヴォルザーク〕他

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