最新ワークスから遡るファレルの多才ぶりを、スペースの許す限り遡ってチェックしてみる(後編)
有名無実化したスター・トラック最後の乗員が外様の彼になろうとは。移籍作での“Wanna Love U Girl”ぶりにファレルの絡んだ表題曲では、〈黒い夜〉を下敷きに粋な尻軽パーティーを展開、原曲同様に全米No.1を奪取! *出嶌
デスチャ“ Jumpin’ Jumpin’”そっくりのシンセも飛び出すヒップホップ・トラックで主役がはすっぱに歌い飛ばす“Street Life”をプロデュース。イケイケだった頃のデスチャをファレルが手掛けていたらこうなったかも? *池谷
2000年の“I Just Wanna Love U”で絡んで以来、“Excuse Me Miss”や“Change Clothes”などジェイZとの仕事に名曲打率の高いネプチューンズ。ファレルは本作でフランク・オーシャンが歌う“Oceans”と“BBC”を手堅く制作。 *出嶌
“IFHY”では歌詞世界における主役のオルターエゴとして気怠く歌い、“Tamale”のPVではカメオ出演しているファレル。自身への心酔と影響を露わにする愛弟子の頼みは断れない(?)。 *池谷
初めて外部制作陣を迎えたメイヤーの3作目に“Wine Glass Woman”を提供。乾いたドラムスとシンセが典型的なファレル・サウンドのミッド・ファンクだ。坂本慎太郎によるカヴァーも話題に。 *池谷
マック・ミラーの2作目で“Objects In The Mirror”をプロデュース。よりユルくて幻惑的になったアルバム全体の聴き味に合うメロウな小品で、寂しげなエレピとサイケなギターの対比もたまらない。 *池谷
ゲット・ラッキーした勢いでハッピーに……じゃないけど、この客演が後の快進撃と『G I R L』に結実したのはあきらかで、本人も〈ダフト・パンクのおかげ〉と語っている。同時期にブギーな時流に共鳴したのも興味深い。 *池谷
ヴァージニア出身で〈インディー・ゴーゴー〉を標榜するDCの赤金緑トリオ。何かアウトキャストっぽい“Doing The Most”を同郷のよしみでファレルが共同プロデュースしている。 *出嶌
“Sweet Life”のプロダクションを担当。ミックステープ『Nostalgia Ultra』を聴いて〈黒いジェイムス・テイラーだ〉と絶賛したファレル側からのアプローチでコラボが実現したそうだ。後にビヨンセ仕事でも両者は共作している。 *池谷
T.I. 『Trouble Man: Heavy Is The Head』 Grand Hustle/Atlantic(2012)
例の“Blurred Lines”などファレル絡みの客演も増えているT.I.だが、デビュー作の“What’s Yo Name”で組んで以来の長い付き合いでもある。本作での“Hello”は平凡だが、前作収録の“Amazing”はエグかった! *出嶌
KENDRICK LAMAR 『Good Kid, M.A.A.D City』 Top Dawg/Interscope(2012)
近年屈指のリリシストに“Good Kid”を提供。サンプリングのイメージがあまりないファレルだが、ここでは作風に合わせてか90年代ムードを醸し、フックではロイ・エアーズを引用して歌う。 *池谷
若きUKポップスターのデビュー・アルバムで、2曲の制作に関与。コーラス参加もした軽快なMJオマージュ“Lift Off”はいつものファレル節だが、“Glass Girl”のほうはなんとエモいダブステップ調のトラックを提供! *池谷
意外にも縁のなかった同士だが、ジュニア・マフィアの声ネタ使いも効いた“Presidential”のプロデュースで邂逅した。なお、ミックステープ『The Black Bar Mitzvah』では同曲のファレル歌唱ヴァージョンが聴ける。 *出嶌
オールディーズ調とプリンス趣味の融合が楽しい“Twisted”と、ゴリゴリのヒップホップ・マナー曲“Hot Thing”をプロデュース。デラックス版にのみ収録の後者では客演のエイサップ・ロッキーに合わせてかスクリュー使いも。 *池谷
まさにマジック・アワーの空気がメロウに広がるAORディスコ“Inevitable”をバンドと共同プロデュース。これ以降の展開に活きることを考えると文字通り必然的な共演だったか。 *出嶌
強いリズムの出し入れとロッキッシュな激しさがややMJっぽい“Trespassing”と、ジャクソンズの某曲に似た“Kickin’ It”をファレルが制作。ナイル・ロジャーズとのニアミスもあり。 *出嶌