これまでヴィヴァルディ、ピアソラと「四季」にまつわる曲を取り上げてきたクレーメル。今回ヴィヴァルディの「四季」を意識して、グラスが2009年に作曲した《ヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカの四季」》が素晴らしい! 4つの楽章から成り、実はどれが“春夏秋冬”かは明記されていません。聴いた人が感じる想像に委ねられているという楽しさ! クレーメルは繊細に完璧に奏でています。美しいメロディ、ひんやりとした空気感。グラスらしいミニマルな音型が優しくループする。移ろいゆく季節は颯爽とした風のように舞いながら、心を静かにえぐる。そしてペルト、カンチェリ、梅林茂なども注目。
ヴァイオリニストのギドン・クレーメル、グラスがヴィヴァルディ意識した〈アメリカの四季〉はじめペルトや梅林茂の楽曲奏でた一枚
DG