〈ジャズを聴きたいけど、どこから聴いていいかわからない〉〈有名な曲はどれ?〉〈そもそもジャズってどんな音楽?〉という入門希望のリスナーには最適のガイド盤であり、またベテラン・リスナーにとっては、ご自身のジャズ体験の原点ともいえる名曲の数々をあらためて聴き直す最良のノスタルジー盤といえます。

そんな2つのオリジナル・コンピ盤の内容をご紹介します。

 

まず1枚目の『BEAUTIFUL JAZZ PIANO』。

VARIOUS ARTISTS 『Beautiful Jazz Piano』 Not Now Music(2015)

ジャズ・ピアノ100%、収録トラックは全てすべてジャズ史の中ではレジェンド級の名ピアニストの名演ばかり。音源も、ブルーノート、プレスティッジ、リバーサイド等の名レーベルから。全曲が、ピアノ・トリオ編成(ピアノ、ベース、ドラムス)による演奏で、そのピアニストの良さが一番伝わる形にこだわりました。最近、そういうコンピがあまりないなあ、というのが発案のきっかけだったのです。

こんな名曲がいっぱい!

ビル・エヴァンス “ワルツ・フォー・デビイ”
ピアノ・トリオでの名曲名演の頂点はビル・エヴァンスのこの曲。その貴重なスタジオ・ライヴ映像

ウィントン・ケリー “カム・レイン・オア・カム・シャイン”

シェリー・マン&ヒズ・フレンズ(ピアノはアンドレ・プレヴィン)“踊りあかそう”

今回、選曲をしていくうちに、いろいろなことにあらためて気づかされました。
ピアニストのアルバムはすべてピアノ・トリオ編成というわけでなく、サックスやトランペットが入った編成も多く、それゆえ収録できる曲が限られるピアニストが意外にありました。ブルーノート・レーベルではそういうピアニストがほとんどです。ただ、そんなアルバムの中にも、何曲かはピアノ・トリオで演奏した曲が入っている場合があるので、しっかりチェックし、そういった楽曲も網羅しており、それが本作の特徴になっています。

たとえばこのトラックはそんな1曲です。

レッド・ガーランド “ビリー・ボーイ”
マイルス・デイヴィスの傑作『マイルストーンズ』に収録。アルバムはクインテット編成だが、この曲だけレッド・ガーランドのトリオでの演奏。

全45曲収録、3枚組輸入盤で、1,200円(税抜)。タワレコ限定販売です。

 

2枚目は『JAZZ EVERYBODY! TWO!』。

VARIOUS ARTISTS 『Jazz Everybody! Two! ~All Of The Best Jazz~』 TOWER RECORDS UNIVERSAL VINTAGE COLLECTION(2015)

キャッチーなジャズの名曲だけを厳選、誰もが〈イイ曲〉だけ聴いていたい、という願望を実現すべく誕生したスーパー・ジャズ・コンピ第2弾。
思わず口ずさんでしまうメロディをもっている超名曲の歴史的名演ばかりを収録しました。一度聴いたら、心に残る、そんな曲のオンパレードです。音源はブルーノート、プレスティッジ、リバーサイド等の名レーベルばかり。

マイルス・デイヴィス “ウォーキン”

選曲は、第1弾に収録されたアーティストの名曲の"続編”にふさわしい楽曲をチョイス。ジャズの名盤には、キー・トラックになる曲が同じアルバムの中に必ずもう一曲あるものです。
この曲はそんな代表例。

ソニー・クラーク “ブルー・マイナー”

そこに、今回は前作にはないギターやビブラフォンが前面に出た名曲も収録しています。

ウェス・モンゴメリー “フォー・オン・シックス”

曲順は前作を踏襲し、一番最初にビッグバンドによる隠れ名曲トラックで始まり、一番最後は超有名アルバムのラスト・トラックで締めます。その間、曲調、テンポを十分吟味し、流れよく聴けるよう、ストーリーを持った曲順構成を心がけました。

バディ・リッチ・ビッグ・バンド “シカゴ”(コンピ第1曲目)

このシリーズ、実はジャケットのアートワークは過去の有名ジャズ・アルバムのパロディなのです。ヒントはブルーノート・レーベルのとあるアルバム。ご自身で探してみてください(もうひとつのヒントをオマケ。第1弾のジャケの色使いの方が元ネタのジャケに近いです)。

音源はすべて最良のリマスター音源を使用し〈イイ音〉にもこだわりました。お店で実際に耳で体験してください。

全曲書き下ろし解説付。
全25曲、2枚組トータルタイム150分超収録。1,500円(税抜)。

以上、〈有りそうでない〉2つのジャズ・オリジナル・コンピの正体でした!
最高のジャズを聴いて、もっとハッピーに!