前作『守護天使』でパッサカリアを聴かせ、リスナーに大きな期待を抱かせたポッジャーがそれを裏切ることなく『ロザリオソナタ』をリリースした。端正で上品な演奏でありながら受難の物語の劇的な部分はしっかりと表現されていているところがポッジャーならでは。楽器の響きも美しく全曲通じて耳あたりの心地よいのが特徴だ。スコラダトゥーラならではのハッとするような響きはスリル満点。通奏低音の楽器群の見事なサポートも特筆もので《十字架にかけられたイエス》では物語の核心に迫る演奏を披露している。《聖母マリアの戴冠》を一際たっぷりとした息使いで聴かせているのも印象深い。

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レイチェル・ポッジャーによるバッハ〈無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ第2番ニ短調BWV.1004〉パフォーマンス映像