2016年、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト生誕260年記念企画!

 クラシック音楽業界においてW.A.モーツァルト(1756-1791)の生誕、没後のいわゆる記念年は最大のドル箱。日本においてはバブル絶頂期で 「モーツァルト狂騒曲」と言われた1991年の没後200年と対照的に低料金で高水準の生演奏を楽しめる「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が広く認知された2006年の生誕250年が今なお記憶に新しい。

 そして2016年はモーツァルト生誕260年。正直些か地味な節目だが逆に落ち着いてこの不世出の天才の作品を超有名作のみならず幅広くじっくり味わう機会となりうる。そうした一歩先に踏み込んだモーツァルト鑑賞の入口として好適なのがユニバーサル・ミュージックが2016年1月と3月に50タイトルずつリリースするシリーズ「モーツァルトの100枚」。

 まずおすすめはセレナードとディヴェルティメント。前者の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は最もよく知られたクラシック音楽作品の1つだがそれ以外にも名品が多数。なかなか実演で聴く機会はないし録音物も一部の作品を除くと箱物でしか買えないので廉価のバラ売りはとてもありがたい。しかもカラヤン、映画『アマデウス』のサウンドトラックを担当したマリナー、オーボエ奏者・作曲家として現役の大音楽家ホリガーなど粒ぞろいの顔ぶれの演奏で聴ける。また「音楽の冗談」や小さな舞曲を収録したオルフェウス室内管弦楽団による 『リトル・ライト・モーツァルト』はチャーミングな1枚。さらに演奏家で選ぶ面白さも。カラヤン若き日の記録、伝説の名女流ヴァイオリニストのオークレールによる協奏曲、内田光子コヴァセヴィチプレヴィンといった巨匠・才人がピアノパートを弾いた室内楽などバラエティ豊か。

 モーツァルトは全作品に聴く楽しみがあるといっても過言ではなく、演奏のアプローチも多種多様。従って表面をなでるだけではいかにももったいない。「モーツァルトの100枚。」をスタートに作品・演奏両面で鑑賞の奥の院へ進んでみてはいかがだろうか。 

 


モーツァルトの100枚。
カラヤン、アバド、小澤征爾、ベーム、etc……
[ ユニバーサル UCCG-90601~UCCG-90058 ]
◎第1期 50タイトル/2016年1月27日発売
◎第2期 50タイトル/2016年3月16日発売
http://www.universal-music.co.jp/mozart260th