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そして女性ソロ・アイドルは……

 社会現象にもなった昨年のTVドラマ「あまちゃん」が80年代と現代のアイドル事情を対比していたように、昨今では女性アイドル=グループ(男性もか)という認識が一般的になっています。逆に80年代はアイドルに限らずスター=ソロ歌手というイメージが強かったこともあるのか、強い光を放つ個人が次々に見い出され、入念に送り出される時代だったということなのでしょう。つんく作の素晴らしい新曲も収めた菊池桃子の新作を聴くにつけ、その光源がまったく衰えていないことに驚かされるばかり。つまり、武藤彩未のプロジェクトが志しているのも、そんな時代のソロ歌手の在り方そのものということになるのでしょう。

 一方で、〈アイドル〉であることが不遇を囲ってきた90年代以降、ソロ・アイドル的な役割を担ってきたのは声優シンガーでもあります。これは花澤香菜や竹達彩奈らがアーティスティックな側面も見せながらより広い層の注目を集めている昨今まで続く流れだと言えましょう。とはいえ、いわゆる〈アイドル〉からもソロ・シンガー志向の強い人たちは出てきていて、アイドリング!!!から登場した横山ルリカや遠藤舞、グラビア方面での支持が先行している吉木りさらは、グループ中心の時代にあって奮闘中。集団もいいけど、強い個ももっといるとおもしろいですね!  *狛犬 

 

▼関連作品

左から、4月30日にリリースされる菊池桃子のニュー・アルバム『青春ラブレター〜30th Celebration Best〜』(エピック)、2013年のコンピ『春子の部屋 〜あまちゃん80'sHITS〜ビクター編』(ビクター)、花澤香菜の2013年作『claire』(アニプレックス)、横山ルリカの2014年作『ラピスラズリ』(ビクター)、吉木りさの2014年作『ペントミノ』(コロムビア)
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