2010年発行の本書に新規書き下ろし原稿も加わり文庫化。手元にいいサイズ。かつてブラジルに集まってきた多種多様の音楽があって、人種も身分もちがう人たちがそれぞれにその音楽によりそってきた。その延長線上にある、サウダーヂやヘスペイト(リスペクト)の重要性とか、歴史と音楽の関わりといった知識を含めながら、章ごとに時系列でブラジルを教えてくれる。〈サンビスタ〉の注釈には、“サンバの歌手、演奏家を指すが、「人生のすべてをサンバに託している者」くらいのニュアンスがある。”とある。“ニュアンス”からブラジル音楽の今、そしてガイドブックとしても。ブラジル熱を後押しされて、うかうかしていられない。
「1冊でわかるポケット教養シリーズ リアル・ブラジル音楽」 歴史と音楽の関わりなどの知識含むブラジル音楽のいま示す2010年の書籍が文庫化
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