北欧フィンランドのピアニスト、ヨーナス・ハーヴィストのピアノ・トリオ作品。繊細なタッチで空間をコントロールする透明感溢れる楽曲、北欧の雪景色のような冷たい余韻が広がる音世界は、どこかECMレーベルの美的感覚を想起させる。インテリジェンスを感じさせるピアノ・スタイルは敬愛するキース・ジャレットの影響を匂わせ、リリカルで美しいハーモニー・センスが印象的で秀逸。ヨーナスは日本の文化やメンタリティに深く興味を抱いているとのこと。タイトルは日本語の「奥」を指し、アルバムの雰囲気からは“奥ゆかしさ”や“奥深さ”を感じとることができる。