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“Cakes”をより美味しく味わうための11枚

Homecomings WHALE LIVING felicity/SECOND ROYAL(2018)

「愛はなんだ」や“Cakes”とも通じる〈人と人の距離〉をテーマにした物語を各楽曲へ落とし込んだ最新アルバム。ラストの“Songbirds”以外はすべて日本語詞となり、ストリングスやコーラスをアクセントにしたフォーキーなサウンドで、登場人物の心情を細やかに伝えている。 *土田

 

山田尚子 リズと青い鳥 京都アニメーション・『響け!』製作委員会(2018)

Homecomingsが初めて主題歌を担った劇場アニメ。同じ吹奏楽部に属する女子高生2人の繊細な距離感を綴った同作は、別掲の『WHALE LIVING』におけるコンセプトの発端となった。ブリット・ポップを意識したというエンディング曲の歌詞には、“Cakes”流儀の仕掛けが。 *土田

 

今泉力哉,岡部成司 サッドティー バップ(2014)

福富が一番好きな今泉作品。二股をかけている映画監督を中心に多彩な恋愛模様を描いた物語で、パーソナルな空気を切り取る演出の繊細さはHomecomingsに通じる部分がある。サントラにトリプルファイヤーを起用している点から今泉監督の音楽センスが伝わってきたりも。 *村尾

 

REX ORANGE COUNTY Apricot Princess Rex Orange County/BEAT(2018)

タイラー・ザ・クリエイター作品への客演で名を広めた南ロンドン発のシンガー・ソングライター。ソウルやヒップホップを経由したポップソングの持つマイルドな風合いは、Homecomingsとも繋がる。ピアノの弾き語りがベースの楽曲も多いので、“Moving Day Part1”が好きな人はぜひ。 *土田

 

RANDY NEWMAN Sail Away Reprise(1972)

アメリカを代表する シンガー・ソングライター。映画のサントラも数多く手掛ける幅広い才能の持ち主で、ノスタルジックで美しいメロディーに加えて、シニカルな歌詞も評価が高い。彼の代表作とも言える本作は、ピアノを弾きながら物語を語るように歌うストーリーテラーぶりが味わえる。 *村尾

 

JUDEE SILL Judee Sill Rhino(1971)

畳野が最近聴いているアーティストとして挙げた早世の女性シンガー・ソングライター。ギターやピアノの弾き語りにストリングスなどを交えたそのサウンドは、フォークやカントリーに教会音楽の響きも重なる静謐な美しさを湛えたもの。聴き手にジェントルな落ち着きを与える当人の歌声も素晴らしい。 *土田

 

THE SEA AND CAKE Any Day Thrill Jockey/HEADZ(2018)

“Cakes”のジャケットの写真を選んだ理由のひとつは、大好きなシー・アンド・ケイクのジャケットと雰囲気が似ていたからだとか。サム・プレコップの歌声を際立たせた最新アルバムは、最近の作品のなかでもっともメロディーを大切にした仕上がり。洗練されたギター・ポップが味わえる。 *村尾

 

ALEX TURNER Submarine Domino(2011)

畳野がフェイヴァリットとしてピックしたサントラ。アークティック・モンキーズの中心人物が手掛けたことで話題になった本作は、バンドとは異なるアコースティックなサウンドで、アレンジはシンプル。微睡むようなメロディーの乗って、優しく語りかけるようなヴォーカル曲が並んでいる。 *村尾

 

JON BRION Lady Bird Fire Soundtracks/ソニー(2018)

最近はよく劇伴を聴くという福富。特に、近年はマック・ミラーやフランク・オーシャン作品にも関与したプロデューサー/作曲家の本作がお気に入りとのこと。繊細なオーケストレーションから紡ぎ出される穏やかで美しいメロディー。クラシカルな風情のなかにキラキラしたポップセンスも感じられる。 *村尾

 

VARIOUS ARTISTS PARKS パークス TONOFON(2017)

〈音楽映画〉の良作として福富が挙げた作品のサントラ。東京は吉祥寺にある井の頭公園を舞台にしたストーリーに対し、トクマルシューゴ、シャムキャッツ、相対性理論など、吉祥寺に縁があるミュージシャンが多数集結。映画に散りばめられた音楽が、映像と見事に融け合っている。 *村尾

 

VARIOUS ARTISTS CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCHY~ キューン(2018)

本作でHomecomingsがカヴァーした“惚たる蛍”は、チャットのメジャー初作に収録。フィーリーズを思わせる青ジャケも印象的な同作だが、ここでの編曲にはそこからさらに連想できる御大パワー・ポップ・バンド色が。“Cakes”さながらの遊び心が楽しい。 *土田