PR
コラム

ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)『Changes』葛藤と変化を経て待望の新作に描き出した心象とは?

Page 2 / 2 1ページ目から読む

ジャスティンの音楽と変化へのステップ

 ジャスティンがそのティーン・ポップ的なイメージを大きく塗り替えたのは、何も自身の悪行だけによるものではなく……何度か訪れた音楽的なターニングポイントこそが彼を成長させてきたのだ。その最初の転換点こそ、〈Music Mondays〉と銘打った配信シリーズ曲をコンパイルした2013年末の『Journals』だろう。彼自身のやりたいことを自由に追求したこの試みは、アンドレ・ハリスやロドニー・ジャーキンス、ディプロといった大物の参加、フューチャーやチャンス・ザ・ラッパーらの客演、クレイグ・デヴィッド“Fill Me In”や90年代ノリのアイズリーズ使いなど、主役のR&B趣味が丸出しに。ディプロとの縁がジャックUの大ヒットに繋がるのはもちろん、ここで出会ったジェイソン“プー・ベア”ボイドは以降の歩みにおいて欠かせない制作パートナーとなる。

 禊のような形になった起死回生の一作『Purpose』(2015年)もまた大きな転換点であった。トロピカル・ハウス流行に先鞭を付けた“What Do You Mean?”などで生まれ変わった姿を音の面から演出したのは、ジャックU縁のスクリレックスをはじめ、ブラッドポップやベニー・ブランコたち。ゲストにはトラヴィス・スコットやホールジーらを招き、良くも悪くもアーバンやEDMといった垣根が無効化して一本の王道に織り込まれていく流れのなか、振り幅の広い作風は野心的に時流を掴み、以降の多彩な客演へ向けての前ぶれにもなった。

 以降の客演ヒットのデカさは言わずもがな。今回の『Changes』を聴いてすぐに感じたのはまたクリス・ブラウンの歌い口に近づいてきたことだったりするが、そのクリスとの“Don’t Check On Me”やダン+シェイとの“10,000 Hours”ではトラディショナルなジャスティン像が楽しめたり、今後の彼は成長と共にまだまだ変化していくことを止めないだろう。 *轟ひろみ

 

ジャスティン・ビーバーのアルバムを一部紹介。

 

ジャスティン・ビーバーの客演曲を収めた作品を一部紹介。